殴るぞ

色々と思いっきり話します。

2016-01-01から1年間の記事一覧

その一瞬、リアルを見た。 -第67回全国高校駅伝レポ-

昨年、世羅高校が圧倒的な強さを持って連覇した高校駅伝。いわゆる都大路と呼ばれるこの大会、午前中に女子が、午後には男子が駆け抜ける。そこで今回、この都大路をよりリアルに体感すべく、3つのポイントに分かれて駅伝を体感することとした。 ①2時間の間…

遠藤日向「未来」

学法石川高校のエースであり、将来を嘱望されている高速ランナーが遠藤日向くんだ。3000メートル走の高校生記録を保持している若武者は、高校生にして唯一の7分台のランナーである。加えて、5000メートル走でも佐藤秀和さんが記録した13分39秒87という高校生…

バーナード・ホプキンスがロッキー・バルボアになった日 ―ボクシングおじさん―

ボクシング界、いや格闘技には常に悪役が付き物である。ここでは、ボクシングだけにフォーカスを当ててみよう。フロイド・メイウェザー・ジュニアやエイドリアン・ブローナーは「問題児」たる、正しくスーパーヒールである。 メイウェザーは存在感が違いすぎ…

青学包囲網とサンキュー大作戦

いよいよ箱根駅伝の季節がやってきたわけだが、昨年の駅伝は「青学か東洋か?」と言われるほど両校の差は拮抗していたように思える。東洋に服部勇馬選手というエースがいたためだが、青学はレースの天才、久保田和真選手を始めに4年生が充実していた。 蓋を…

三浦と内山。日本ボクシングの命運はこの二人に託された。

ここで言うことでもないかもしれないが、日本のボクシングに辟易している。亀田への罪の擦り付け、JBC職員による健保管理金のちょろまかしなど、ボクシング界に漂っている空気は淀んでいる。 井上尚弥も低迷しており、山中慎介も国外へ飛び出す気はないよう…

川内優輝「その男、不器用につき」

意地と魂のこもった走りだった。すでに一週間は過ぎたものの、興奮と感動は忘れられない。川内優輝の真骨頂、愚直で実直な走りを見せられたからだろう。 多くの報道で語られているように、今回のマラソンを前にコンディションは最悪の状態。右のふくらはぎを…

岩佐亮佑「結果にこだわれ」

思わぬ形で転がり込んできたチャンスだろう。しかし、このチャンスをものにしないわけには行かなくなった。岩佐亮佑の世界王座挑戦である。リー・ハスキンスとの対戦から早くも1年。11月19日に行われる予定だった指名挑戦者決定戦が対戦相手のルイス・ロサが…

ダイナマイトがとどろくとき(2) ―その雄たけびを聴け―

3戦目で勝利を盗まれた形となったマルケス。5か月が経過した2012年4月14日に行われた再起戦では、パッキャオとのリマッチをにらみサウスポーとの対戦を要求。周囲以上に、メキシカンはパッキャオとの対決に執念を燃やしていた。 一方で、パッキャオはすでに…

ダイナマイトがとどろくとき(1)

ボクシング史上最高のテクニシャンは誰になるだろうか。 フロイド・メイウェザー・ジュニアは最強でありながら、なおかつ唯一無二のテクニックを持つ天才だ。アンドレ・ウォードも実にテクニカルな選手である。アマチュアボクシングで鍛えられたスキルに裏打…

矢島直弥「天高く、真っ直ぐに」

「大晦日のRIZINに出たい!」 リング上でも取材でも。彼は声を大にして宣言してきた。RIZINにどうしても出たい。チャンピオンになった今だからこそ、チャンスなのだと。矢島直弥という男は、チャンピオンベルトを獲得した時以上に上へと目指して走り続けてい…

グランパス新喜劇

その速報を目にした瞬間、大笑いしてしまった。 不謹慎なのは分かっている。頑張っている選手たちには失礼であると承知している。それでも、手を叩いて爆笑してしまった。何に爆笑したのか。名古屋グランパスのJ2降格だ。西野朗氏が退任してから招聘された小…

森崎浩司「It's Happy Line」

サンフレッチェの象徴が、スパイクを脱ぐ時が来た。森崎浩司。サンフレッチェ広島を代表する森崎兄弟の弟で、チームを代表するプレイヤーである。その才能をかつて同僚だった柏木陽介は、このように語っている。「浦和に移籍した後も含め、あれほど上手い選…

阿部勇樹「水を運び、飲む男」

かつて、イビチャ・オシム氏は自身が指導した選手の中で一番好きな選手を水野晃樹と言ったことがあった。「日本人選手に持っていないものを持っていた。すべての場面でトライして、リスクも冒せていた」のだという。それは、彼が「水を飲める」選手であり、…

藤原正和・舟津彰馬「1年生監督と1年生主将」

「外部からは心無い声をいただきました。でも、自分たちはやれると思ってやってきました! それに対して、誰も文句は言いません! もし、先輩方に文句を言うような方がいらっしゃれば、自分が受けて立ちます! 自分に全てぶつけてください! 先輩たちを悪く…

鈴木尚広「逃げるは恥だが役に立つ」

クライマックスシリーズ、1stステージ。東京ドームで行われた巨人対横浜の試合。代走で出てきた男は、横浜の投手・田中健二朗の牽制球に引っかかってアウトとなった。そして、それが現役最後のプレーとなった。代走のスペシャリスト、鈴木尚広。名だたるバイ…

ハリルホジッチがやばいんじゃない

サッカーの日本代表がやばいという話を聴く。UAE戦で逆転負けを喫し、イラク戦では終了間際に勝ち越しゴールを決めなければ引き分けという状況だった。確かに結果から見るとヤバいように見える。オーストラリア戦が始まるまでは最終予選4位という結果は確か…

出雲駅伝 青学と他校

■青学健在か? と思わせるレース展開 高速レースに蹴りを付けたのは、一色恭志くんだった。予想された高速レースでは先手を取らせないことが鉄則となる。特に青山学院大学と東洋大学は序盤から先手を取って逃げることに定評がある。しかし、それに真っ向から…

矢島直弥「バクチ・ダンサー」

大みそかのRIZINに出場したい。 その想いから今年1年戦い続けてきた男、それがぼくらの矢島直弥選手である。盟友にして大切な仕事仲間でもある小川徹選手の復帰戦で必死に応援に回っていた前回。「応援されるっていいですね」としみじみ語った姿はどこか決意…

出雲駅伝―高速レースに馳せるもの―

さて、いよいよ明日から出雲駅伝が始まる。これをきっかけにして、3大駅伝が開幕。陸上もトラックからロードレースのシーズンになるわけだ。この高速レースは、今年の3大駅伝の難関でもある箱根駅伝に大きく直結する大会と言い切っても良いだろう。 それはな…

Jリーグに訪れた最大のチャンス

イギリスの大手動画配信企業、パフォーム・グループによる10年2100億円での大型契約が締結された。これを受けて、元々の条件だった1ステージ制の復帰も併せて正式に決定した。今までにない規模の金額がJリーグにやってきたことによって、「本来あるべき姿」…

エイドリアン・ブローナー「BUMP OF PROBLEM」

ボクシング界だけでなく、どの業界にも問題児と呼ばれる人物はいる。ホリエモンは紛れもなくそれであるし、良くも悪くも彼の発言はメディアを賑わせる。スポーツ界でも、本田圭佑や中田英寿の言葉は多くのウェイトを占めるだろう。サミル・ナスリはその発言…

25年前のユーゴスラビアと25年後の日本

「サッカーは分からない」。 シュワーボことイビチャ・オシムが呟いた言葉である。1992年5月28日にサッカーユーゴスラビア代表は、国際連合からの制裁を受けて全ての国際大会から追放される形で終焉した。国家としてすでに崩壊していたユーゴが、最期に輝き…

ギレルモ・リゴンドウ「その美しさを刻め」

理想のボクシングとは何だろう。しばしば議論されるこの話題。色々あるだろうが、一つ究極の物として定義されるのは「打たれずに打つこと」。そして、それはとても難しいことも多くのファンが理解していることだろう。 なぜならば「究極」として定義されたそ…

長谷川穂積「A Fighting Man」

その結末は、あまりにも突然だった。かつてWBAのバンタム級暫定王者の獲得経験もある2階級制覇を達成した王者、ウーゴ・ルイスが棄権の意思を示してTKOとなったWBC世界スーパーバンタム級タイトルマッチ。新王者はもう、フレッシュな男とは言えない。長谷川…

亀田和毅が山中慎介を倒すことができる3つの理由

亀田和毅がジム移籍を認める報道が流れた。大変喜ばしいことだ。様々な嫌がらせをかいくぐり、よくぞここまで戻ってきたと思う。 プロモート先がトップランク、ゴールデンボーイ・プロモーションズからの提訴に追われている中で、彼はマクドネル戦に2連敗し…

亀田への一連の処分。日本ボクシングへの怒りと悲しみ。

亀田和毅のライセンス復帰がいよいよ現実味を帯びてきた。そもそも亀田三兄弟は、周囲から見られている以上に潔白であったにもかかわらず、何よりも日本のボクシングを統括する組織である、日本ボクシングコミッション(以下、JBC)が定めた悪法をしっかりと…

井上尚弥「初心忘れるべからず」

ローマン・ゴンサレス対マックウィリアムズ・アローヨとの対決を見た次の夜。地上波で行われていたのは井上尚弥の試合だった。「チョコラティート」らしからぬ野性味を感じないボクシングを見て、果たして井上の勝算はと思ってテレビを付けた。そこには驚愕…

応援という非日常的な中で

パンクラス280がディファ有明で行われた。今回の興行はとてもエキサイティングな結果が多かった。第8試合から観戦していたが、タテキ・マツダ選手や松嶋こよみ選手の技術の高さに思わず唸ったかと思えば、メインイベントにあった久米鷹介選手の闘志溢れるフ…

ウサイン・ボルトの驚愕

ウサイン・ボルトにバトンがわたり、走り出す。すると横にいたのは誰だろう。なんと、日本のケンブリッジ飛鳥だった。「おい、マジかよ!」という表情をボルトは一瞬見せたのもつかの間、グングンと加速していき、最後の最後は役者の違うところを見せてくれ…

吉田沙保里「純粋に目指し過ぎたがゆえに」

恋は盲目と言ったのはどこの誰だろう。吉田沙保里の銀メダルの報を聞き、不意に思った。伊調馨と並びオリンピック4連覇という奇跡を達成するはずだった霊長類最強女子は、まさか届く直前で敗れることとなってしまったのだから。それも、かつてのライバルであ…