殴るぞ

色々と思いっきり話します。

その一瞬、リアルを見た。 -第67回全国高校駅伝レポ-

 昨年、世羅高校が圧倒的な強さを持って連覇した高校駅伝。いわゆる都大路と呼ばれるこの大会、午前中に女子が、午後には男子が駆け抜ける。そこで今回、この都大路をよりリアルに体感すべく、3つのポイントに分かれて駅伝を体感することとした。

①2時間の間に3箇所の移動

 今回、観戦しようと計画したポイントは3つ。1区のラストスパート区間となる烏丸紫明交差点付近。次に折り返し地点となる京都国際会館前。そして、ゴール地点となる西京極書は女子駅伝も観る予定だったのだが、お土産を買っていたことで観戦に遅れてしまったということをここにお詫びしたい。仕方ないので、男子の観戦だけに切り替えることにした。

 さて、今回は各区間で動画を流し、それをYouTubeにそれぞれアップロードしている。そちらもぜひ楽しんでいただきたいなと思う。まずは1区のラストスパート。佐久長聖の名取くんが伊賀白鳳の塩澤くんをスパートで追い抜いていく場面が印象的だ。一方で、学法石川は遠藤日向くんがインフルエンザで欠場。代役の2年生、半澤黎人くんにはいささかエース区間は重たかったか。区間最下位とまさかの結果に終わってしまったのは可愛そうだった。

 続いて3区でも、熱いデッドヒートが繰り広げられた。倉敷高校の留学生ムァゥラくんと佐久長聖の中谷くんが競り合いながら折り返し地点へ。まさかまさかで興奮してしまい、動画を取りながらも実況に熱が入った。もっとも、熱が入りすぎて怒られてしまったのだが。お兄さん、あの時はごめんなさいね。

 そして、最終区間7区は西京極陸上競技場のゴール地点で待機。パブリックビューイングを見ながら倉敷高校が独走状態であることを知る。地下だと、私の携帯はワンセグが入らず、wifiも阪急線の地下だと電波が届かない状況だったので、どうなるかとそわそわしていた。しかし、終わってみれば予選会トップのタイムを出した実力を発揮して見事に優勝。3区で逃げきれなくても4区で突き放す強さを見せた倉敷の勝又監督の手腕は見事だろう。

 さて、隅から隅までレースを見ることは叶わなかった今回。もちろんレースには感動したのだが、終わって帰りの阪急電車は呆然としてしまっていた。余りにも疲れすぎていたのだ。

②混雑に対する柔軟な対応と、選手への協力を!

 昨夜は四条大宮という阪急線と京福電鉄の駅前にある漫画喫茶に宿泊した。そこから、河原町へお土産を買いに行き、烏丸紫明交差点の最寄り駅である鞍馬口駅で下車。通過を確認後に国際会館駅まで地下鉄で移動し、最後は阪急電車西京極駅まで移動。朝9時から小休止を含めて15時近くまでで移動した距離は27.2キロに及ぶ。最も電車移動ではあったが。

 しかし、中継点となる降りる駅全てにどこかで暇を潰せるようなカフェもなければ、ファストフードのお店もない。ゆっくりとコーヒーを寒空の下で飲むしか無いのだ。何よりも移動の際には非常に混雑する。特に阪急の烏丸駅のプラットホームはさながら山手線の品川駅のように大変混雑していたほどだ。これほどまでに混雑し、ストレスに苛まれることになるとは思わなかった。初参戦とは言え、これは想定しておくべきだったと思う。

 しかも、西京極駅の桂方面へ向かうプラットホームが大変混雑して大渋滞となっていたことも忘れてはいけない。西京極駅は決して大きな駅ではなく、出口も臨時出口が開いてなければ一つしかない。河原町方面の臨時出口は空いていたが、桂方面にももう一つ臨時出口があったはず。阪急の公式では使用されていないようだが、渋滞となっているこの状況では柔軟に対応すべきではなかったか。割と大きな出口だけにこのような大きなイベントが行われるときはぜひ検討をお願いしたい。

 そして、沿道のみなさん。今回3区と4区の折り返し地点付近は選手たちの専用通路が確保されていたはず。係員からの指示があったにも関わらず、それを無視して観戦していたのは明らかに問題がある。これからトラックレースのシーズンとなっていく中で、今一度マナーについて再考願いたい。無論、それは私もである。節度を持って、楽しもう。

 ③ロードレースの醍醐味

 ロードレースの醍醐味とは何か。それは選手たちとの距離感の近さだろう。これはどのスポーツも決して勝つことのできない唯一無二のものだ。気迫のこもった走り、必死に前を追う表情。特定の選手だけでなく、「みんながんばれ!」と思わず叫んでしまいたくなる。でも、通り過ぎてしまうのは本当に一瞬。だが、それがいい。ゴールに飛び込んでくる奏者があと少しで前を行く走者を抜けそうなのに、抜けない。届かない。それだけ死力を尽くしているのが手に取るようにわかるのだ。

 抜かれたランナーはそれが悔しくて何度も目を覚ますことだろう。追いつけなかったランナーも悔しくて目を覚ますだろう。勝負とはそういうものとは分かっていても。そこにも、物語がある。どこか切ないが、だからこそ多くの人に共感を持たれる。

 歯を食いしばって、食いしばって。報われなかったとしたら、彼らは一体何をこれからの人生に刻んでいくのだろう。走ることはスポーツの原点だ。その原点に、自分がなぜ書き記したいものがあるのかを問われている気がした。

 惜しむらくは、遠藤日向くんを見ることができなかったこと。驚きがあったのは小豆島高校の健闘。どれも素敵な物語だった。遠藤くんのように長く陸上をやることができるランナーはそれほどいないだろう。今日走った300人以上のランナーたちには、それぞれの物語がある。たった一つ、一瞬だけ交差した駅伝というストーリーを彼らはどうこれから解釈していくのだろうと、東京に帰りパソコンの前でぼんやりと物思いにふけっていた。

 とにもかくにも、高校駅伝が終わった。残す駅伝は箱根駅伝だけだが、今年もあっちこっちで多くのロードレースがある。可能な限り現地で見て、記事にできたらいいと個人的には考えている。

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今回はYouTubeにもアップロードしましたので、ぜひこちらもお楽しみください。

1区ラストスパート

3区折り返し地点

アンカーゴールの瞬間