殴るぞ

色々と思いっきり話します。

青学包囲網とサンキュー大作戦

 いよいよ箱根駅伝の季節がやってきたわけだが、昨年の駅伝は「青学か東洋か?」と言われるほど両校の差は拮抗していたように思える。東洋に服部勇馬選手というエースがいたためだが、青学はレースの天才、久保田和真選手を始めに4年生が充実していた。

 蓋を開けてみると、久保田選手が試合の流れを作った。これで青学の独走を許してしまったことは最後まで響いた。東洋大学の酒井監督が区間配置をミスし、序盤のリードを取り返すことができなかった。

 そんな今回のレース前の予想ではあるが、青学が総合優勝する確率は75%と見ている。各区間に力のあるランナーを配置できることは大きいからだ。やや4年生と3年生の下田裕太くんが物足りないことは気がかりだが、5区まででリードを保つことができれば勝率も90%まで跳ね上がる。

 この勝率、実は出雲駅伝が始まるまでは95%だった。今回も青学が優勝だろう。そう踏んでいた。ではなぜ20%も減ったのか。それを今回は書いていきたいと思う。

 青学の課題は1区。出雲では鈴木塁人くんを、全日本では下田くんを起用したがはまらず。タイム差を詰めた上で最終的にはアンカーに配置された一色恭志くんがひっくり返した。しかし、箱根駅伝で一色くんは2区で起用されることが濃厚。山登りでも神野大地選手が卒業しているだけに、大逆転が望めないのだ。

 そう考えると、青学を脅かしそうなのは東海大学だ。鬼塚翔太くん、關颯人くんの1年生コンビが出雲で躍動。昨年の高校生でトップレベルだったランナーが多く入学し、上級生たちを脅かしている。しかし、スピードに優れている一方でスタミナは未知数だ。4年生で中心選手として期待していた廣田雄希くんがエントリーから外れるなど、チーム編成では苦心したのがうかがえる。

 逆にスタート次第となりそうなのは早稲田大学である。出雲駅伝では主将の平和真くんを1区で起用するも大失敗したが、全日本で武田凛太郎くんが好位置をキープ。最後は安井雄一くんが逆転されてしまったが、彼は昨年5区で区間5位の好成績をマーク。序盤でリード、あるいは青学と1分30秒差程度であれば、何が起こるかわからない。5区までリードを保てば往路優勝も現実的になる。

 スタートダッシュの東海か、総合力の早稲田か。20%を握っているのはこの2校と言える。

 さて、3強と呼ばれていた東洋大学駒澤大学は?

 まず東洋大学は距離の使い方が抜群にうまいのだが、如何せん追いかける展開になった時にそのままズルズルと行ってしまいがち。それを覆すことができるだけの走者が今シーズンは居なかった。けがの状態次第の口町亮くんとエース格として期待される櫻岡駿くん、スピードランナーである服部弾馬くんのトリオで序盤からリードを奪っていくしかない。

 一方で駒澤大学は思ったよりも踏みとどまっている。エース格の中谷圭佑くんが出雲と全日本の出場を回避したが、おそらく箱根では出てくる。西山雄介くん、大塚祥平くんと計算できる4年生に、3年生の工藤有生くん、高本真樹くん。下文典くん、片西景くんと2年生が全日本で活躍。青学と戦うことができる下地はできている。

 山梨学院大学も面白い。

 留学生のドミニク・ニャイロくんを最大限に活かす戦術をとるとしたら、1区は上田健太くんを起用するだろう。スタートダッシュで青学に先手を取らせない戦法を取ってくるに違いない。メンバーもビッグネームはいないが着実に成長しているおり、特に上田くんと同級生の市谷龍太郎くんは出雲で区間記録を更新した。はまれば面白いレースを展開しそうだ。

 それでも青学の勝率が75%と考えているのには理由がある。2区一色くんを始めとして、下田くんと田村くんは駅伝での実績がある。2年生になる梶谷瑠哉くん、森田歩希くんの成長は著しく、4年生では茂木亮太くんや安藤悠哉くんが出雲駅伝で好走。どの層を取っても強いチーム作りができていて、特殊区間を除けば大きく外すレースはしないだろう。

 3区までで青学が主導権を握ってしまえば、勝率は80%まで跳ね上がる。山で勝負する早稲田や駒澤であれば1分差でもまだ戦えるが、2分以上の差が付き、かつ5区の穴さえ埋まってしまえば青学の勝率は95%以上。ほぼ青学が勝つだろう。

 おそらく原監督は、スタートダッシュを決めるための区間配置について頭を巡らせているに違いない。1区での遅れがどれだけ手痛い結果を招くのか、身をもって知っているからでもある。2年前、神野大地選手の驚異的な走りがなければ、優勝していたのは青学ではなく駒澤だったかもしれない。それでも10時間49分という記録はすごすぎて笑うしかなかったが。

 下田くんか鈴木くんか。それとも「サンキュー大作戦」に隠れてサプライズを起こすのか。対青学包囲網が広がる中で、オーダーが読めない青山学院大学。原監督の作戦を考察するには、どうやら12月下旬の区間エントリーが正式に発表されてから行った方が良さそうだ。

 3週間後に迫った箱根駅伝。いささか先は長いが、Facebookページで箱根駅伝の情報(と言っても、詳しい方であればすぐわかるような情報ではあるのだが)を流していきたいと考えている。

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