殴るぞ

色々と思いっきり話します。

亀田和毅が山中慎介を倒すことができる3つの理由

 亀田和毅がジム移籍を認める報道が流れた。大変喜ばしいことだ。様々な嫌がらせをかいくぐり、よくぞここまで戻ってきたと思う。

 プロモート先がトップランクゴールデンボーイ・プロモーションズからの提訴に追われている中で、彼はマクドネル戦に2連敗して以降、1年間試合枯れの状態だった。長兄の興毅氏と次兄の大毅氏は相次いで引退し、現役を続けるのは和毅だけになっている。

 一方で、日本では亀田ジムが活動できない。試合がしたくてもできない状況ではあったものの、彼の実力は大変評価されていることは言うまでもなかった。父・史郎氏の下での(やり方は褒められたものではないのだろうが)トレーニングと、メキシコでの修行で積み上げてきた才能。そして「どんだけ練習すんねんと思うほど」と兄の興毅氏が話すほど、練習熱心な姿勢。苦しい時でもそれを忘れなかった。

 だから、仮に彼が大手ジムに入ることがなくても、それは問題ないのではないだろうか。なぜなら、大手でなかったとしても、受け入れてくれるジムはごまんとあると私には思える。そして、兄たちという強い味方がいる。今、間違いなく彼はあのWBC王者を倒せる選手であると私ははっきりと言い切ることができるからである。

 和毅の階級はバンタム級だ。あのWBC王者とは言うまでもなく山中慎介である。彼なら勝てる。断言しよう。そう言いきれる3つの理由がある。

 まず、山中の弱点は打たれ弱さにある。この直近2試合、山中はダウンを喫している。なんてことのない対戦者であったリボリオ・ソリスとアンセルモ・モレノから、お世辞にもラッキーとは言えないダウンを。

 彼は技術がない。抜群の左ストレートとは裏腹に、実はジャブの使い方は割と普通で、ガードでパンチを守るという意識があまり高くない。もちろん最大の武器を活かすために犠牲にしたのだろうが、ダルチニャン戦でもスリッピングアウェーを多用するなどガードに対する意識は疑問が生じる。何よりも技術面でモレノに劣っていたことは明白だ。

 そして、今までスピードのあるテクニシャンと対戦経験がないこと。具体的なタイプで言うなら長谷川穂積ウィラポンからタイトルを奪ったときのような切れ味のある選手との対決がないことだ。ボディワークを使ったテクニシャンならばロハスモレノに勝利しているが、山中にそのような選手との対戦経験が皆無である。

 和毅はまさしくスピードのあるテクニシャン。山中に対しての勝算は大いにあると見ていいだろう。

 さて、こうなるとしばしば挙げられる「亀田は強豪から逃げている」という論調。残念だが、今回に限ってはそれは当てはまらない。むしろあえて言わせてほしい。逃げているのは山中陣営だろう、と。

 私は亀田陣営の人間ではないし(一人のファンではあるが)、別に彼らから資金を提供されて書いているバーターでもない。ただし、彼は多くの強豪に挑み、結果はどうであれ世界的には評価されている選手だ。

 山中はどうだろう。確かにモレノロハス、ツニャカオにダルチニャンと言った世界的強豪とは対決しているが、彼らは決して全盛期を迎えていた選手では無いことだけは言っておかなければいけない(特にダルチニャン)。

 なおかつ、その全盛期を過ぎていたモレノに弱点までさらけ出してしまった。それは前述の通りである。なおかつ、1戦目は「ホームタウン・デシジョン」であったことも忘れてはいけない。つまりこの試合がパナマやアメリカで行われていれば、結果は逆だったとも言い切れるのだ。たらればはいささか女々しく映るかもしれないが。

 しかし、少なくとも山中は世間が感じている以上に強い選手では無いということだけ、念頭に置いてもらいたい。そしてもし、実現することがなければ、山中慎介が逃げた。亀田が逃げたのではないということだけをここにはっきりと記しておきたい。

 世間は亀田が勝利することなどないと考えているだろう。しかし、和毅が唯一警戒しなければならないのは、あの左ストレートである。抜群のそれは、紛れもなく素晴らしい。世界トップレベルのものがあると思う。モレノのKOを見ればそれも明らかだ。打たれ脆い和毅が食らえば危険と言える。

 しかし射程距離内に入らなければ、それは「神の域」に決して達しない。攻めのパターンが少ない山中であるならば、和毅がドライに捌くことで十分に勝機はあるものと思える。安全運転を心がけ、テクニカルなボクシングに徹すれば。

 あと、気にかけることがあるならば、日本国内で開催される場合。モレノもこれに崩されて、2戦目では前へと出てこなければならなくなった。KO負けの原因は、そこにもあったことは明記しておこう。

 それでも、もし国内復帰が決定して山中と対戦することがあるならば。是非とも和毅には勝利してもらいたいのだ。そして多くのボクオタを驚かせて、黙らせてほしい。亀田和毅にはそれだけの期待と驚きをどうしても期待してしまうのだ。

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