殴るぞ

色々と思いっきり話します。

亀田への一連の処分。日本ボクシングへの怒りと悲しみ。

 亀田和毅のライセンス復帰がいよいよ現実味を帯びてきた。そもそも亀田三兄弟は、周囲から見られている以上に潔白であったにもかかわらず、何よりも日本のボクシングを統括する組織である、日本ボクシングコミッション(以下、JBC)が定めた悪法をしっかりと遵守していた優等生であったにもかかわらず、日本から追放された人物であった。これは重大な事実として冒頭に述べておきたいと思う。

 つまり亀田家は無実の罪をでっちあげられ、その罪が多くのボクシングファンで有罪と判断されたことにより日本のボクシングから去る羽目になったれっきとした「被害者」なのだ。

 言いたいことは分かる。ファン・ランダエダ戦はどうだったのか? 内藤大助戦での反則行為は? 父親・史郎氏の恫喝行為は? もちろん、それは許されることではないだろう。しかし、ランダエダ戦に限って言うならこの前の山中対アンセルモ・モレノの判定はどうだったかを問いたいし、内藤戦での一連の反則行為はサスペンドを受けるということで判決はすでに降りている。史郎氏は結果としてセコンドの永久追放処分を受けて海外のリングでしか試合に出ることができない。

 弱い相手としかやっていないという話は、それはどのボクサーも同じことであるし、大体当時24歳の亀田興毅が海外とビッグマッチできるだけのコネがあったとは思えない。試合がつまらないという話はそれだけで永久追放されたら、多くのボクサーはリングを去らなければならない。何が言いたいかというと、亀田の永久追放の解除を語る上で感情論だけで走ってしまった結果であるということをここで明言しておかなければ、今回私が記事を書く意味がないということだ。

 亀田が大きく取り上げられた問題は大きく分けて3つ。

 清水智信の休養王者騒動、JBC職員恫喝騒動、負けても王座保持問題。順番に行こう。清水の休養王者問題についてから。

 清水が所属する金子ボクシングジムは、世界戦を単独で行うほど資金に余裕のあるジムでは無かった。しかし、内藤大助ポンサクレックなど世界王者に輝いた選手とも対決するなど実力ある選手として名は知られていたのだ。

 何が何でも世界王者を取らせたい金子ジムは亀田に興行権の保持を条件として世界戦を行わせたいことを依頼する。亀田陣営は防衛戦で指名試合としてWBAインターナショナル王者となっていた大毅と対戦させることを条件に、2011年8月31日にWBA世界スーパーフライ級王者のウーゴ・カサレスとの対戦を行う交渉をまとめた。試合は2-1の判定で清水が勝利し、12月への大毅との防衛戦が現実味を帯びてきたところだった。

 金子ジム側が対戦を拒否してきたのだ。当然、亀田陣営としては納得できるだけの明確な証拠がほしいところ。そこで提示されたのが眼窩骨折という診断書だった。そこでWBAが診断書から鑑みて清水を休養王者とし、暫定王者のテーパリット・ゴーキャットジムが王者に昇格して12月に大毅と対戦したというのが真相だった。清水陣営が被害者面をしているが、どこからどう見ても契約を履行しなかった金子ジム側に問題があったとしか思えない。

 続けて、JBC役員への恫喝事件について。

 こちらも、2013年9月3日に香川県で行われたロドリゴ・ゲレロとIBF世界スーパーフライ級王座決定戦を行った際に、試合で使用するグローブをめぐって発生した騒動である。通常、試合ではグローブを検査して問題ないことを確認してコミッションのサインを行うということで公平性を保っている。しかし、その確認を行った直後にゲレロ陣営から「別のグローブを使用したい」と要請があり、JBCがそれを容認する。それに対して亀田陣営がJBC役員に確認を取ったところ(それも映像という証拠がついて)、それが亀田一家JBC役員を監禁して恫喝したという風に情報をねつ造して人気ブログ「拳論」に書くよう、JBC役員でリングアナウンサーである冨樫光明氏が片岡亮氏に依頼したというのが真相だったのだ。

 そして、負けても王座保持問題について。

 一連のネガティブな報道を受けて、2013年12月3日に行われたWBAスーパーフライ級王者リボリオ・ソリスとの王座統一戦ではソリスが体重超過の失態を犯してIBF王座への挑戦権を喪失する。事務局長の浦谷信彰氏は「亀田が勝てば統一王者、負ければ両王座ともに空位、引き分けなら亀田はIBF王座を保持」と発表していたが、試合前からIBF立会人が「勝っても負けても亀田がIBF王座を防衛する」と明言していた。

 亀田陣営に認識のずれがあったことは批判されても致し方ないと思う。しかし、TBS中継の稚拙さとJBC役員のルール認識のずさんさ(事前に発表されていたことやルールミーティングにおいても明言されていたという)が招いた結果であることは言うまでもない。

 一連の事件を受けて亀田に対してのネガティブなイメージが付きまとってしまっていることは否定しないし、亀田嫌いの人たちが多くいることは認める。しかし、嫌いだからという理由で、世間の声だからという理由で亀田を日本から追い出した手法はとてもではないが感心できないし、批判されてしかるべきものだろう。

 JBCについてはそのほかにも問題を多く抱えており、未だ解決できていない問題が山ほどある。それについては今後言及していくとして、嘘の事実を作り上げて人を貶めることは卑劣以外の何物でもないし、最終的に追放するという手法は弱い者いじめの何物でもない。

 未だに抵抗がある人に言っておくなら、その感情はあなたの胸の中だけで抑えておくべきものだということだ。所詮それは、あなたの感情論でしかないのだから。

 私ははっきりと亀田が被害者であると言ったのは「亀田は一切咎を受けることはしていないし、していた過去の行為については処分をしっかりと受けている」ためだ。ルールを守っていた亀田がライセンス復帰の際に叩かれ、犯罪を犯した選手がライセンス発行に対しての批判がないことの異常性、防衛戦での妨害工作。挙げればきりがないがここまでにしておこう。

 色々とまだ言い足りない部分があるが、亀田への一連の行為によっての裁判はまったくもって当たり前の行為ではないだろうか。だからこそ、私は亀田を全面擁護したいと考えている。

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