2015-01-01から1年間の記事一覧
ヒリヒリする様な、際どい攻防の末に。3人のジャッジはメイウェザーを支持していた。ぼくの採点は116-112でメイウェザー支持。その濃密な攻防は10ポイントマストシステムでは決して評価されるべきものではない、感動的で絶妙な駆け引きがそこにはあった。 特…
実は、フロイド・メイウェザー・ジュニアvsマニー・パッキャオとの一戦を前にして、日本人選手が世界タイトルをかけた決戦に挑んでいた。粟生隆寛である。長谷川穂積の弟分にして、おそらくはもっとも才能あふれる天才肌のボクサーだ。カウンターのタイミン…
いつだって彼は、ぼくらに笑いをもたらしてくれる。大田泰示のことだ。 おっちょこちょいなプレーで時折笑わせたり、どうしようもない理由で教育リーグのメンバーから外されたり。あまりにもうだつが上がらなくて、阿部慎之助の自主トレメンバーからも外され…
全てを賭けて臨んだはずのマルケス戦。その代償は余りにも大きかった。ボクシングにおいて、それはよくある話だ。たった一度の負けが、人生を大きく狂わせる。オスカー・デ・ラ・ホーヤと戦ったアイク・クォーティ然り、オルランド・サリドに敗れたファンマ…
TBEとは、Moneyが新たに自称し始めたリングネームである。47連勝を達成し、その強さはまさにThe Best of Everと呼ぶにふさわしい名前とも言える。カネロの愛称でも知られるサウル・アルバレスでさえも、まるで歯が立たずに大差の2-0で退けたのだから。もはや…
誰もがその判定に首をかしげ、怒りに狂ったことだろう。ティモシー・ブラッドリー戦での一幕だ。リアルタイムで見ていたぼくの判定は118-110でPacman優勢。明らかに彼の強打がブラッドリーを上回っていた場面が多く見られた試合だったのだ。とはいえ、彼は衰…
なぜ、Moneyは急にリングを去るようなことをしたのだろう。自分を認めてくれないフラストレーションと、前回で記述した。もう一つあると思われること。多くのアスリートが通ってきた問題が根底にあったのだ。それが「負傷」である。全身のケアを怠ることがで…
今まで、Pacmanは多くの強豪をその拳で打ち砕いてきた。どんな相手でも圧倒し続け、勝利をもぎ取り続けてきた。その実力に疑問を持っていた目の肥えたファンをその戦いぶりで納得させ、そしてエキサイティングにさせてきた。パウンド・フォー・パウンド最強…
究極のディフェンステクニックを誇っていたPretty boy。無敗を誇る中でも、やはり印象に残る試合というものは多い。まず、フィリップ・ヌドゥ。続いて、ザブ・ジュダー。そして、”ゴールデンボーイ”こと、オスカー・デ・ラ・ホーヤ。リッキー・ハットンやア…
フィリピンのミンダナオ島にあるブキドノン州のキバウェ。のちに人民の王者としてもてはやされることとなるマニー・パッキャオ、本名エマヌエル・ダピドゥラン・パッキャオその人だ。野菜農家の4男として産まれたパッキャオもまた、貧困層の生まれである。一…
父のシニア、叔父のロジャーとジェフ。ボクシングに携わってきたメイウェザー三兄弟血筋を引いた男、フロイド・メイウェザー・ジュニア。生まれた時からさぞセレブな暮らしをしていたに違いないと思わせるボクシング界のメーカーは、決して恵まれた環境から…
喜びのカズダンスをまた見ることができるとは思っていなかった。言うまでもなく、日本サッカー界のレジェンドである三浦知良のことである。48にもなっていれば、もう第一線からは退いて、悠々自適な生活を送っていても不思議ではない。プロスポーツはそうい…
サッカーとは野球ではなく、サッカーである。バスケットボールでは決してないし、ハンドボールにもバレーボールにもなりえない。当たり前のことを言っているようで、実はぼく個人としてはそれを分かっていないのは何より日本人ではないのかと考えている。そ…
きっかけは昨年10月、フロイド・メイウェザー・ジュニアのトレーナーを勤めているフロイド・メイウェザー・シニアがインタビューからだった。「その試合は確実に行われるだろう」。あの試合のことがわっと話題に上ってきた。即座にメイウェザー・ジュニアに…
岡田武史は挑戦者である。なぜだろうか。日本人唯一のワールドカップでの指揮経験があるから? もちろんそれは要素の一つだが、ではなぜそれが生み出されたのだろうか。そこにあるのは「世界と戦って勝利するにはどうしたらいいか?」を考えて、トライアンド…
高速レースとなった東京マラソンでの優勝タイムは2時間6分ジャストであった。ワールドマラソンメジャーズの一角である東京マラソンで、どうもアフリカ勢に勝利をすることが難しい状況が続いていることは事実だ。これは、何も今に始まったことではない。そん…
ハビエル・アギーレが解任されてから後任監督の報道が多くみられるようになっている。すでに候補を絞って活動している、有名な監督がオファーを断った、そのような報道が飛び交う。どれも迷走しているように見えるその選出だが、よくよく考えてみるとザッケ…
遠藤保仁を見るとつくづく思うのだ。自然体だなあと。本当にマイペースで何事にも動じない。だが、彼はいつもトップレベルにいる選手ではなかったのだ。それだけの能力があるにも関わらずだ。三兄弟の末っ子として育った遠藤は鹿児島では「遠藤三兄弟」とし…
「岳は化物。あいつは天才」。大学時代にゼミで一緒だった友人から教えてもらったことがある。韮崎高校で主将を務めた人物が言うのだから、その通りなのだろうと思っていた。事実、その年の青森山田は強かった。最も面白いサッカーをしていたし、柴崎岳は要…
ハンパないという言葉とともに、鮮烈に残っている選手がいる。大迫勇也その人だ。彼は平山相太がかつて打ち立てた大会最多得点記録を更新し、鳴り物入りで鹿島アントラーズに入団。その後も順調にキャリアを積み上げて、昨年のワールドカップでは日本代表に…
いい選手がいるからと言って優勝をすることができない。それは何もサッカーに限ったことではない。大谷翔平のいた花巻東が全国制覇を達成したことはない。アフリカ人留学生のいる山梨学院大学が近年、駅伝を制覇したことはない。たった一人すごい選手がいる…
箱根駅伝が終わると、いよいよ正月にも終わりが告げられる。正月ボケもいよいよ解消しつつ、といいたいのだけれど。どうしても正月ボケが終わらないリアルがそこにはある。そう、高校サッカーだ。学生のアマチュアスポーツが立て込むとどうしても見てしまう…
神野、5区区間新記録樹立。まるで楽しんでいるかのように賭けて行く姿は、本当に山の神童と呼んでも差し支えない振る舞いであった。おそらくは復路でも順位を落とさずに優勝することだろう。一方で、駒澤の馬場には辛いレースとなってしまった。神野のハイペ…
東京の町田で生まれ育った彼の姿を見た人はこう語る。「異次元」と。全国の駅伝に出場するような選手というのは、それ相応の実力を持って殴り込みをかけに来る。大迫も紛れもなく東京都内には敵のいないスーパーランナーだったのだ。佐久長聖入学後も着実に…
戦後最多優勝を誇る駅伝の名門学校といえば、世羅高校である。90年代には低迷した時期こそあったものの、留学生を起用し始めてから再び息を吹き返してきた広島の県立校だ。近年は、留学生がいる学校が強い風潮もあり、特にビタン・カロキやチャールズ・ディ…