殴るぞ

色々と思いっきり話します。

2016-01-01から1年間の記事一覧

続・悪党シメオネの反抗

バイエルン破れたり。180分という過酷な戦いを制したのは「戦術の天才」ペップ・グァルディオラではなく、「悪党」シメオネだった。勝利のためにどんな手を使うことも厭わないダーティな男ではあるが、実際にはとてもクリーンで整備されたディフェンスシステ…

レスター・シティFCが教えてくれる「お金で買えない価値と勝ち」

早朝、トッテナム・ホットスパー(以下、スパーズ)対チェルシー戦。スパーズは優勝するためには勝たねばならないわけだったが、チェルシーのホーム・スタンフォードブリッジとの相性は良くなかった。エースのハリー・ケイン選手のゴールなどで2点をリードす…

矢島直弥「Hyper Music」

まるで全盛期の山本“KID”徳郁選手が乗り移ったかのようだった。殴られても殴り返す。ポイントなんぞ関係ないと言わんばかりに。会場中から聞こえるそのコールに答えるような、激しいラッシュ。明らかに「狩り」に来ている。矢島直弥選手の最終ラウンドだ。す…

新井貴浩「その男、凡人につき」

これほどまでに「下手くそ」と言われながらも、いろいろな人から愛された野球選手がいただろうか。新井貴浩こと新井さんのことだ。ドラフト候補にも引っかからなかった大学時代に、野村謙二郎さんの家を訪ねてバットスイングを見てもらったことからスタート…

ローマン・ゴンサレス、ゲンナジー・ゴロフキン「ナンバーワン野郎たちの共演」

パウンド・フォー・パウンド。それは階級を飛び越えて「誰が強いのか?」を指し示す指標となっているもの。かつてその王座に君臨していたのは、フロイド・メイウェザー・ジュニアとマニー・パッキャオ。しかし、両者が第一線を退いた現在はその順位そのもの…

巻誠一郎「グラヴィティ」

ジーコの記者会見で、ポルトガル語なまりで話される言葉を覚えている人は多くいることだろう。最後の最後、呼ばれた名前にどよめきがあったように。巻誠一郎というサッカー選手はこうして多くの人に名を知られるようになったのだ。ジェフユナイテッド千葉で…

こういう時だからこそ、できること。

熊本を中心に発生した大きな地震。Twitterのタイムラインをなぞり、そしてテレビで流れてくるニュースを見ていて、私は涙が止まらなくなり、そしてとても心細くなってしまった。被災地の方々が数倍、苦しい想いをしていると分かっていてだ。いや、いるからこ…

マニー・パッキャオ「Goodbye Days」

ティモシー・ブラッドリーの体がゴロンと転がるようにダウンした瞬間だった。私はパックマンの勝利を信じて疑わず、そのフィナーレは世界中から祝福されたものになるであろうという確信に満ちていた。かつて疑惑の判定も含めて因縁深い、「デザートストーム…

なでしこジャパン「新しい明日へ」

なでしこジャパンのオリンピック予選敗退の責任を取り、佐々木則夫監督の退任が決定した。男女というカテゴリーを除いても、現在の監督と比較しても実績ではビセンテ・デル・ボスケスペイン代表監督と同格ではないだろうか。 国際大会3大会連続決勝戦進出、…

廣田雄希「サックスブルーの憎いやつ」

思うと、前回からそれなりに期間が離れてしまっていた。ほぼほぼ覚えている人などいないのではないかと思いながら、それでも書いていこうと思う。実のところ、誰もが認めるようなランナーが一色くんや服部弾馬くんだったわけだが、町澤くんと中谷くんはあく…

町澤大雅「気になるあの子の鉢巻き」

一走入魂。白に赤い文字が刻まれた鉢巻きを巻いて走るランナーを覚えているだろうか。町澤大雅くん、彼は今どき珍しい「魂で走るランナー」だ。彼は高校時代、飛び抜けた実績があるわけでは無い。今でこそ10000メートル走28分台のランナーとして知られている…

中谷圭佑「次第に似てくるシルエット」

そのシルエットは、徐々に先輩の中村匠吾選手に似てきていた。駒澤の3年生エース、中谷圭佑くんである。3大駅伝では台風で中止になった2014年の出雲駅伝を除いて全て出場。ブレーキになることなくきっちりと走る能力は中村選手のそれだ。瀬古俊彦さんからは…

服部弾馬「Speed King」

驚異的なラストスパートは、突然やってきた。残り200メートルを切った時だった。留学生二人と高校の同級生、一色恭志くんと形成されたトップ集団を一気に引きちぎる。まるでそこから100メートル走でも始めるかのごとく、猛然とダッシュを始めたのだ。突然の…

桜木ジェイアールが未だ日本最高峰の戦術である理由

友人に誘われて、バスケの天皇杯準決勝を見てきた。非常に熱気があふれていて、もっとスポーツニュースに取り上げてもいいのではと思うほどの熱戦に私もエキサイトした。しかし、未だ日本バスケットボール界が越えることのできない壁があることもひどく痛感…

一色恭志「箱根駅伝のその先へ」

「ちょっとマイクを足元へ向けてもらってもいいですか?」高校駅伝を解説していた金哲彦さんがそう言うのを聞いた。それが一色恭志くんの素晴らしさを初めて見た瞬間だった。リズムが良い。そして、テンポが速い。足の回転が速く、それがまったくぶれないの…

日本大学が箱根駅伝で結果を出せない理由

日大の闇が深い。何が深いといえば、箱根駅伝のあの大失速である。もはや案の定である。今回もダニエル・ムイバ・キトニーくんと6区町井宏行くんが山で好成績を残したにも関わらず、それ以外で区間一桁に入ったのは1区の荻野眞乃介くんと2区の石川颯真くんの…

箱根駅伝総括 -shougatsu no owari-

■ハッピーエンドで頼むよ ゴールテープを真っ先に切ったのは、青山学院大学だった。序盤でのリードを保ったまま芦ノ湖に、そして大手町に。久保田和真くんや一色恭志くんが高校時代から名前の知れた選手であったという事実を差し引いても、見事すぎるレース…

リアル -箱根駅伝往路-

本当に思いつきだった。鶴見中継所を過ぎて、もしかしたら箱根湯本付近で生で見ることができるのではないかと直感した。都内に住んでいる自分からすれば、特急電車を使わなくても2時間ほどで箱根まで行ける。やってみよう。そこからはあっという間だった。素…