殴るぞ

色々と思いっきり話します。

日本大学が箱根駅伝で結果を出せない理由

 日大の闇が深い。何が深いといえば、箱根駅伝のあの大失速である。もはや案の定である。今回もダニエル・ムイバ・キトニーくんと6区町井宏行くんが山で好成績を残したにも関わらず、それ以外で区間一桁に入ったのは1区の荻野眞乃介くんと2区の石川颯真くんの9位。それ以外は全員区間14位以下。特に復路は7区の石井健登くんと8区の岡野佑輝くんはそれぞれ区間18位と19位。復路だけのタイムで言うと15位と目を覆う結果となった。

 ギタウ・ダニエル選手が卒業後、ガントゥ・ベンジャミン選手在籍時には箱根駅伝のシードを獲得どころか予選敗退してしまったこともある。キトニーくん在籍時にシードを獲得したのは1回だけ。

 なぜ日大はシードを獲得できないのだろうか。ここで3つ仮説を立ててみた。①実力不足、②環境・指導者、③チームワークのなさ。この3つを一つひとつ検証していこうと思う。

■実力不足?

 まず、単純に実力不足なのだろうか。それは当てはまらないと考えている。その理由はこうだ。今回、荻野くんと石川くんは5000メートルのタイムでは13分50秒台、10000メートルでは28分50秒台とむしろ学生ランナーとしては十分といっていい水準を保っている。同じく留学生ランナーを起用した拓殖大学は金森寛人くんが14分1秒29で、次に来るのが14分24秒11。東京国際大学は関竜大くんは14分20秒07で、選手の能力は言うほど低くない。

 5000メートル走のタイムだけでもちろん測ることはできないが、選手のポテンシャルを測ることはできる。つまり、日大がシードを取ることができなかった=「実力不足」だったという理屈は通らないということだ。ただし、石川くん5000メートルのタイムは高校3年生の時に記録したもので、荻野くんの自己ベストは2年間更新されていない。ここから見るに指導者の能力や、施設の問題が上がってくる。では、仮設②へ行ってみよう。

■環境・指導者?

 まず環境について。付属校の櫻丘高校に隣接されたグラウンドと三島高校のグラウンド、いずれもかなり環境としては優れた環境にあると言える。少なくとも、設備が他校と比較して劣っているとは到底思えない。むしろ広大な土地で恵まれた環境であるということができるだろう。

 では、指導者はどうだろうか? 関東インカレ、全日本インカレともに制覇している学校の指導者が無能なわけないのだが、悲しいことに長距離部門では外国人留学生頼みになっているのが現状だ。小川聡監督はかつて優勝候補と呼ばれていた時代の指導者なので決して無能というわけでは無いのだが、脇を固める堀込コーチと武者コーチはどうだろうか。率直に申し上げると手腕を疑問視せざるを得ない。特に堀込コーチは佐野日大高校で指導した実績もあるが、残念なことに高校と大学では指導方法も異なる。何より、彼が就任してからのシード権はたったの1回だけ。入学してくる選手と比較して、あまりにも実績としては情けないものと言える。とはいえ、それは小川監督も責任は逃れられない。何より彼はディラング・サイモン選手が失速した時の監督だったことも忘れてはいけない。

■チームワーク?

 もちろんまだ学生の彼らを管理するのが大人だ。しかし、19歳以上というのはある程度自己の判断も厳しく問われてくる年代でもある。プロ野球選手が高卒で入団すれば19歳。一人の立派な選手と言える。ある程度の責任と周囲のおかげで成立していることも自覚しなければいけない。何よりも駅伝はチームスポーツ。当初は日本体育大学は箱根に向けて不安視されていたにもかかわらず、秋山清仁くんが山下りから巻き返すと最終的に7位でフィニッシュ。帝京大学も復路では飛び抜けた選手たちはいなかったものの、きっちりと走り切ってシード権を確保した。

 それは寮生活で培われる部分が大きい。寮は競技だけではなく、生活も共にしなければならない。キャンパスライフでも同様だ。青学や東洋大、駒大などの強豪校は全員が寮生活をしている。日大だけなのだ、それぞれがそれぞれのキャンパスで寮生活を送っているのは。あっちこっちにキャンパスがある日大独自の問題である。しかし、キャンパスを一つにまとめろとは言えない。しかし、そこから一体感を欠いているということは紛れもない事実であるし、これには何かしらの解決策を出さなければならないだろう。

 石川くんが武者コーチに楯突いたなどという程度の低い話も出ており、ああそれじゃあなと思ってしまった。コーチもコーチだが、選手も選手である。

 つまり、チームワークがあったかどうかは疑問視せざるを得ない状態だったと言える。

■まとめ

「案の定である」と最初に申し上げた。だからこそ、前回の記事では失速したことを一切話題に出さなかった。それだけ日大の問題は根深いのだ。では、3つ掲げた仮説の結論を考えよう。

①実力不足

→実力不足であるとは言い切れないが、主力選手が粘り切れていない。また、多くの選手たちに成長が見られない。

②環境・指導者

→環境が悪いとは言えないが、指導力には疑問符が付く。あと、部員からリスペクトされていなければ終わりだ。指導者も今回の結果をどう受け止めるのかが気になる。

③チームワーク

→ない。それを醸成できる環境や時間も少ないのではないか。

 以上より大きな部分となっているのは「チームワークの無さ」であり、「指導者」も原因になっていることが良く分かった。別に日大憎しと思っているわけでは無いが、この体たらくには唖然としてしまう。恐らく来年出ても、同じことの繰り返しだろう。ダニエル選手やキトニーくんには全く罪はない。一生懸命頑張っていた選手たちにも当然罪はない。しかし、駅伝はチームスポーツ。自分が自分がとなるだけでなく、チームのために戦うという気概も必要ではないだろうか。

※今回、できる限り相手を尊重して記事を書いたつもりである。しかし、決して日本大学陸上競技部の関係者と部員の方々を否定するために書いたわけでは無いということだけは理解していただきたい。

気分を害してしまう方もいらっしゃると思うが、断りとして掲載をさせていただく。