殴るぞ

色々と思いっきり話します。

「亀田の裁判」が終わった後に待っているJBCの未来は「地獄」であると、誰か教えてあげてくれませんか。

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ということで前回JBCに「膿」を出し切ることを期待してコラムを書いたわけだが、実際のところJBCの未来は限りなく暗い。

また、一部の視野の狭い方からすればまだ、「亀田ばかりが問題を起こしている」と思われてしまいがちだ。

しかし、JBCの事なかれ主義な対応が全ての原因であるということを忘れてはならない。
本当の意味での「選手ファースト」を実現する前に、日本からボクシングという一つの競技が消えてしまってもおかしくない。
私はこのように思うのだ。今回はそちらについてより細かく伝えて行こうと思う。

JBCは選手を「管理できていない」。

実際に「安河内裁判」の後も未だに問題が解決したとは言えないJBCの問題。
本来であれば、こうしたものはボクシングジムとの信頼関係で大いに成り立っていたことは間違いない。
だが、それらは地に落ちてしまっていると声を大にして言いたい。

まずは選手とJBCについてだ。
大沢宏晋選手は、2012年12月16日に韓国ソウルにてノンタイトル12回戦を行ったと報告した。しかし、実際にはWBOアジア太平洋暫定王座をかけられた防衛戦だったことが明らかになっている。
これに先立って4月30日にはOPBF王者であった大沢選手が対戦したのはWBOのアジア太平洋暫定王座を持っていた選手。この試合で大沢選手が勝利したことによって、OPBF王者とWBO暫定王座を「統一した」ことになるわけだが……。
こちらの真相を明らかにすることもないまま、大沢選手のライセンスを1年間資格停止にし、また当時所属していたジムは資格停止処分に追い込まれた。

また、4団体制覇王者であった、高山勝成さんもまた立派な「被害者」の一人である。かつて新団体設立をJBC職員と企てたという濡れ衣まで着せられ、JBCIBFWBOに加盟する以前に名誉棄損で訴えるのではないかという話も現れた(もっともその企て自体が嘘だったわけだが)。
亀田和毅ネバダ州ライセンスで試合を行おうとした際には、ネバダ州にずいぶんと杜撰な英文で試合させないように圧力をかけたという。突っぱねられたらしいが。
他にもジムに所属しないボクサーたちが海外で試合をしようとした際に「JBCが優位に立てる国の団体」へと圧力をかけて試合自体を中止させたという事例も聞く。

JBCは試合も「管理できていない」。

ずいぶんとやくざなことをしているわけだが、試合運営はこれ以上に杜撰だ。

2012年に行われたWBC世界フライ級タイトルマッチでは、WBCルールでは4回と8回終了時にジャッジ3者の途中採点が公開されるが、この試合では2度とも1回遅れの5回と9回終了時に発表された。
また、八重樫東選手はWBC世界ライトフライ級王座決定戦において、公開採点の公式発表の訂正があった。
他にも2015年4月にはOPBFタイトルの勝者をJBCが勝敗取り違えて発表する。
100kg超のヘビー級選手の計量日に100kgまでしか測れないを体重計を用意。
世界タイトルマッチの審判団を直前になってジム関係者に問い合わせる……。

これはあくまでも、報道されているものばかりだ。考えてみてほしい。
Jリーグの試合では誤審などもあるわけだが、試合結果を間違えて発表しようものならサポーターは黙っていないだろう。
プロ野球で1回表の得点などが、2回や3回に表示されようものなら多くのファンが困惑するだろう。
テニスで錦織圭選手や大坂なおみ選手が試合させないように圧力をかけられるようなことがあるなら、それは大きな問題となるだろう。
仮にリーチ・マイケルがラグビー協会に対して苦言を呈した時に、それを「協会に難癖付けたからリーチは試合に出さない」と協会は言わないだろう。

だが、良く考えてほしい。JBCはそれと同じことを「平然と」やっているということを。もう信用は地に落ちている。多くのジムがすでに嘆息状態だ。
その上で、亀田裁判後も待っているのは無間地獄である。

同じような裁判を考えている人たちもいるのだ

さて、今後についても語っていこう。恐らく亀田裁判が完了したとして、おそらくJBCはそれで「一件落着」とはならないだろう。
現時点でJBC側が亀田陣営に4000万円での和解金を払うように提案されている以上、JBCの敗訴はほぼ確実と言っても良い。加えて、その裁判が終結したとしても同じような形で裁判を起こしているボクサーがいることも忘れてはならない。

加えて、健保金問題や財務問題といった内部の問題も山積している。
裁判の費用に健保金問題は流れたと言われてはいるが、果たしてそれだけだろうか?
威力業務妨害だけでなく業務上横領に名誉棄損。JBCがこの先背負わなければならない業はあまりにも大きい。ライセンス発行も試合運営さえもままならない組織というレッテルを貼られてしまった、森田健前事務局長と浦谷信彰事務局長、秋山弘志理事長を始めとしたJBC役員の責任は極めて重大だ。

その後誰がこの窮地を改善するのかという問題さえ生まれてくるだろう。
JBCに復職された安河内剛氏だけでは到底解決できる問題ではない。もちろんこれで試合ができなくなれば、井上尚弥村田諒太も。現場で頑張る全ての者たちの努力を水泡に帰すこととなる。いや、実際はそのせいでボクサーにとって重要な「時間」を浪費させられた選手もいる。大小問わず「ある」という事実が深刻である。
本当の意味での「選手ファースト」を実現させること、どんな時でも安全かつ円滑に運営がなされるような興行とすること、間違っても興行主だけに責任を負わせるような運営を行わないこと。
そうした「当たり前」を望むことは果たして間違っているだろうか?

いずれにしてもこの意地の張り続けたJBCへの制裁は、1月31日にまず出されることとなる。どういう結末であれ、この先に待っているのは「地獄」である。ただ、判決に抵抗を為すようなことがあれば……。ボクシング界は底の無い地獄に落ち続けていくだろう。