殴るぞ

色々と思いっきり話します。

【浦和レッズ】槙野智章のやらかしを笑って許すことができたとき、浦和は真に強くなると思うその理由。

 槙野智章が絶好調だ。いや、プレーの話では無くメディアの露出の件だ。しばしばサポーター間でも話題になる槙野の話。「出しゃばりすぎ」、「サッカーに専念しろ」、「しゃべるな」、「うるさい」という声はもう何度も聴いている。一方で、大事な場面でやらかすことが多く、3年前の最終節である名古屋グランパス戦での永井謙佑の決勝ゴールや(あの時の闘莉王の発言は個人的に一番頭に来たし、今でも恨んでいる発言である)、昨年のチャンピオンシップ決勝でのPK献上。

 日本人のCBでも競り合いでの強さは飛び抜けているにもかかわらず、今一つ評価されないのはこの「やらかし」が一番重要な場面で目立ってしまうからではないだろうか。その一方で、インスタグラムなどのSNSでは多くの芸能人と交流しており、一番やらかす男が一番Jリーグで目立ってしまっているという悲しい現実がある。

 そして、今年もオフシーズンは「大活躍」。アイドルグループの嵐の番組にレッズのメンバーたちと出演したり、とんねるずの特番に出演したり。サッカー界において自主的に広告塔として自らの振る舞いを見せているように思える。

 この一連の動きが、どうにも鼻につく印象があるのは致し方ないし、眉を顰める人がいるのも事実だ。一方で、彼にとって代わる広告塔が存在していないというのもJリーグ界において悲しいことに存在していないのも事実なのである。

 しばしばプロスポーツで表現される「ファンあっての~」という単語。実にその通りで明確な言葉ではある。かつては毎日やっていたプロ野球のテレビ中継。無くなった現在でも、野球の人気が落ちないのはファンを大切にするという視点に立って活動をしているからだ。なぜ大相撲が最近盛り返してきているのか。稀勢の里が優勝したというのもあるが、何よりも白鵬翔が広告塔として低迷時からファンを大切にしてきたからだ。

 そう考えると、槙野は白鵬の役を担っていることになる。自分がファンを大切にすることが、Jリーグ界にもたらすものは大きいと考えているからではないだろうか。元々真面目な人間なのだろう、メディアへの対応は比較的丁寧だし、かつてトラブルを起こしていた原口元気も教育係となった槙野のおかげで今では「素行不良」の印象はない。

 しかし、それとサッカーのプレーは確かに相関しているとは言えない。重要な場面でやらかしてしまう部分は、浦和レッズが勝負弱いと言われてしまう部分を作り出してしまったことは否めないからだ。しかしその一方で、彼がいなければ2011年降格寸前だった浦和レッズというクラブが翌年3位と躍進することもなかった。これもまた、事実ではないだろうか。

 もちろん浦和のフロント陣が、無能のペトロヴィッチから手腕のあるペトロヴィッチを連れてきたこと、柏木陽介がいたこと。サンフレッズと呼ばれたほど広島の選手を獲得したことで槙野がフィットしたことも事実と言えば事実なのだが、なんにしても彼の明るいキャラクターが、ここ数年の浦和を引っ張ってきたことを決して我々は忘れてはいけないのだ。

 そんな槙野のやらかしを、我々は笑って許すことができるのかどうか。

 それには、チームが強くなることだろうと、私は考える。良く考えてほしい。そんなやらかす選手でも、CBのファーストチョイスとして起用されるのは、槙野が一番CBで実力があるからだ。1対1の強さとスピード。対地戦ならば日本最強であろう。そんな彼が、今まで立場を脅かされたことがあるだろうか。恐らくは、遠藤航が加入した時くらいではないか。槙野は起用され続ける。彼が持つ熱が、チームにいい影響を与えるからだ。

 森脇ではいささかコメディチックになってしまうし、阿部は何よりもムードメーカーという人物ではない。そうなると、槙野が率先してチームを鼓舞することが何よりも大事なのだ。

 悲しいかな、アビスパから加入した田村友はまだまだ役不足だし、そもそもイリッチって居たのかよと突っ込んでしまいたくなる。宇賀神友弥も一応はCBを務められるが、できることならCBの層はもう少しと思ってしまう。

 つまりだ。簡単に言えば、槙野と肩を並べるパーソナリティーを持っていて、なおかつ実力で勝るCBが浦和にはいないという結論に達する。では、どうすればいいのか。これには、一試合ずつ勝っていくしか方法は無いのかなと考えている。

 今年の浦和もおそらくは高いラインを敷き、積極的にボールを奪うサッカーを展開するだろう。西川周作榎本哲也という後ろに強大な「保険」が居るだけに、彼らを活かすにはうってつけの戦術でもあると言える。

 しかし、試合中に何度もスピードのある選手によるカウンターを受けるシーンがあることも頭に入れておかねばならない。その時、槙野のやらかしを笑って許せるのか。それとも怒りとブーイングで迎えるのか。槙野のディフェンスに救われるかもしれないが。

 だが、その時笑って許すことができるのであれば。それは浦和が真の強さを手にした時ではないだろうか。さて、今年はどうだろうか。

 槙野智章から、2017年も目が離せない。

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