殴るぞ

色々と思いっきり話します。

井上尚弥のアメリカデビュー戦と未来

 しかし、見事な形でニエベスを相手に圧勝したものだと感心する。この試合をもって、井上尚弥のアメリカデビュー戦は見事に成功を収めたといっても良いだろう。

 途中で見せたニエベスへの挑発を含め、井上らしさを随所に見せてくれたのではないだろうか。

 常々言っているが、井上には何かしらの大きな負荷を常にかけ続けさせてあげたほうが、今の彼のためになる。

 メディアからの不要なプレッシャーは置いておいても、強い相手と戦うという環境へと放り込んであげれば、井上であれば活躍をするのは割と普通のことのように思える。

 さて、最高の形でデビュー戦を終えたわけだが、井上にとって何よりも素晴らしいチャンスが転がり込んできているようだ。

 ローマン・ゴンサレスという最強選手があのような形で敗れたことによってだ。

 何をトチ狂ったことをと思うだろうが、私はロマゴンに敢えてこだわる必要性は一切ないと思う。

 むしろ、その時に強い選手と戦い勝利する。それが井上尚弥というボクサーであり、彼のやるべきことであるならば。ロマゴンにこだわる理由は一つもないからだ。

■シーサケットでも、クアドラスでも。強い相手と勝利して名をあげるなら今だ。

 同じ日に行われた興行では、ロマゴンがシーサケット・ソー・ルンビサイに敗戦し、カルロス・クアドラスがファン・フランシスコ・エストラーダに敗れるというアップセットがあった。

 クアドラスもロマゴンもエストラーダも。そしてシーサケットも。

 彼らはボクシング界に君臨するトップ・オブ・トップの選手たちである。

 恐らくロマゴンは試合が試合だっただけに休養を余儀なくされるだろうし、シーサケットはエストラーダとの試合を優先するだろう。

 そうなった時に対戦する可能性として高いのはクアドラス。

 ロマゴンとエストラーダに敗れており、ここ最近は勢いが衰えてきているのかもしれない。

 しかし、3年前には佐藤洋太からベルトを奪ったシーサケットから勝利を収めているし、2階級制覇者であるコンセプシオンにも勝利しており決して弱いわけではない。

 今敢えて、ロマゴンにこだわり試合枯れの選択を行うか、減量苦でのバンタム級に転向する話は1年待っても遅くはないと思う。もちろん反対はしない。

 ロマゴンはフライ級に戻るか、引退するという話も出ている。シーサケットとエストラーダの指名試合も1年後には方がついているはずだ。

 あえてそれを待ってスーパーフライ級での統一戦も見てみたい気がするのだ。決して悪い選択ではないと思う。もちろん、井上の体が大きくなって減量することが難しいのは承知の上でだ。

井上尚弥は「強い相手としかやらない」という契約を結んだはずでは?

 井上尚弥が大橋ジムと交わした契約書にはこのように書かれてあるという。「強い選手と戦う。弱い選手とは戦わない」と。彼の実力は突出しており、本当の意味で彼と釣り合うのはロマゴン以外にいなかったのかもしれない。

 もし仮に来年からバンタム級へと階級を上げるとしても。

 WBAスーパー王者のザナト・ザキヤノフや今度IBFのスーパーフライ級に挑戦することになったルーシー・ウォーレンなど、強い選手は多くいる。

 ドーピング疑惑で騒がれているルイス・ネリもその候補には入ってくるだろう(日本では確実にやれないとは思うが)。

 ロマゴンが敗れたことは好都合だ。それは大橋ジムが契約書通りに井上の試合をマッチメークできるからである。契約社会において契約書は絶対だ。もちろんそれを望んでいるのは彼自身なのだろうが。

 ウォーレンとの対戦が個人的には面白いと思う。アマチュア上がりで非常にハンドスピードも速い。キレのある選手だけに井上との対戦となると、ワクワクするだろう。

 ただ、ザキヤノフは同じカザフスタンのゴロフキンと同じような匂いのする選手だ。ものすごいうまさは感じないが、ゴツゴツと前進してくる圧力がある選手と感じた。井上にはタフな相手となるだろう。

山中慎介との対戦となるとどうだろうか?

 結局ネリに敗れてベルトを奪われた山中だが、あえて再起するならばその初戦は井上と対戦しても、面白いと思う。

 ライトフライ級からスーパーフライ級へと階級を上げた当初は不安視されたウエイトの問題。いくら井上とは言え、ロマゴンでも苦しんだ階級の壁を馬鹿にしては痛い目を見る。

 井上にとっては仮にノンタイトルでもバンタム級に慣れるためにも最適の対戦相手であるし、山中も実力者を相手として戦うことが出来る。互いのメリットが大きいのだ。

 もちろん実現するかしないかで言われれば、実現はとてもではないが厳しいだろう。その要因について、今回は敢えて触れないが。

 問題は井上にとって「山中慎介は今でも強敵であるのか」ということだろう。もちろん山中の実力はかなりある。いくら左ストレートだけとはいえWBC王座を12度も防衛した男だ、左の破壊力は大変素晴らしい。

 だが、山中は負けたのだ。これは勝負の世界では良くあること。そして、敗れたことにより、手にしていた実力や強さを急激に失うことは本当に良くあることなのだ。

 だからこそ、気になるのだ。当然だろう。もし、山中があっさりと負けるようなことがあれば。井上との契約書に書かれていたことは嘘になる。

 契約書は絶対だ。どんなことがあっても優先されるのは契約書に書かれていることだからである。

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