殴るぞ

色々と思いっきり話します。

エイドリアン・ブローナーとアミール・カーン。実現したらSuperだ。

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 現在のボクシング界で一番の問題児といえばエイドリアン・ブローナーであろう。
 人間、だれしも闇を抱えて生きている生き物だが、はっきり言ってブローナーのレベルに達してから物事は言うべきである。
 数々の問題と奇行、性行為の最中や、便器にドル紙幣をばらまく映像を流したり、インタビューで過激な発言を繰り返したり。飲酒運転、ラスベガスでの突然の暴行事件、強盗。アメリカでは18歳未満の犯罪履歴は明らかになっていないが、それ以前から素行が悪いことで大変有名な男である。
 そんなブローナーにはアミール・カーンとの対戦が噂されている。2年前、サウル・アルバレスとの壮絶なファイトを見せたカーンは、負けたとはいえ評価を上げた選手の一人である。カーンも対戦を希望しているとの噂が立っているのだ。

◆ブローナーとカーン

 エイドリアン・ジェロム・ブローナーはオハイオ州シンシナティ出身の28歳。WBO世界スーパーフェザー級を制覇した時の彼は、スピードもパワーも併せ持った非常にセンスあふれるボクサーの一人であった。当時は内山高志でさえ、彼と対決するのは危険と言われたほどだ。そんな彼の才能が徐々に狂い始めたのは、2度目の防衛戦でのビセンテエスコベド戦だったのだろう。体重超過で王座はく奪され、その試合では勝利したがボクシングファンに対し非常に心証の悪い一戦となったのは間違いない。
 その当時、フロイド・メイウェザー・ジュニアの再来と呼ばれた彼は、行動も言動もメイウェザーになろうと躍起になっていたのかもしれない。その後4階級制覇を勢いのまま行うが、クローズアップされていったのはリング内ではなく、リング外でのことだった。問題行動はエスカレートし、次第には「兄貴分」のメイウェザーにさえ噛みつくようになった。マイキー・ガルシアとの対決、ここ数年のパフォーマンスの低下から巻き返すことができるのかが期待される。
 一方で、カーンはカネロ・アルバレスとの対決で敗れてから2年近くリングに立っていない。元来、打たれ弱い男ではあるのだが、それを補って余りあるほどのスピードを持つオリンピック銀メダリストだ。敗れはしたが、その対決は下馬評以上に興奮をもたらす試合であったことは言うまでもない。
 2年以上リングから離れているのと、離婚騒動が明らかになっているが、改めてウェルター級の戦線に復帰するためにはブローナーとの対決は最適だろう。ネームバリューもあり、一定の実力もある。ボクシング戦線へと復帰するための相手としてはこれ以上ない対決だ。

◆お互いに共通する男、ザブ・ジュダー

 お互いにここが踏ん張り時の闘いになることは言うまでもないだろう。それは、お互いにボクシングという競技において類稀なる才能を持っているからに他ならない。だが、ブローナーはどうだろうか? その奇行と問題行動で、彼自身が才能を消費しているように見える。大変厳しいと思うが、ここで彼自身に変化がなければ、ボクサーとしての進退にまでかかわってくる問題になるだろう。
 一方で、カーンは先ほども言ったようにここで強烈なアピールが欲しい。まだまだ自分がやれるということをボクシング界にアピールをしていく必要があるのではないだろうか。スピードとテクニックは中菱級の中でも相当高いレベルにあるカーン。この試合を足掛かりに、一度失くなってしまったマニー・パッキャオとの試合を実現したいところである。
 そんな二人が似ているボクサーがいるのだ。才能はフロイド・メイウェザー・ジュニアを凌駕していたであろう男、ザブ・ジュダーである。ブローナーはその問題行動と才能の消費が。カーンはそのボクシングスタイルがである。もっとも、カーンの場合はカネロ戦の時にはなおさらそうせざるを得なかったわけだが。
 ザブ・ジュダーほど才能を惜しまれたボクサーはいなかった。そして、それはブローナーもカーンも。同じはずである。彼らの実力はこんなものではなかったはずだ、と。

◆本当だったら、Superなファイトになるはずだ。

 そんなジュダーのリングネームは“Super”だった。それだけ才能のあった男だった。彼はリング外でトラブルがあったとしても、リング内では時にフロイド・メイウェザー・ジュニアでさえ凌駕するほどのパフォーマンスを見せてくれた。ブローナーもその驚異的なまでの執念と才能で多くのファンを感動させてくれたファイターでもあった。そして、それはカーンも同じだった。
 才能だけだったら、間違いなくボクシング史上に残るSuperな戦いになることだろう。だが、たった一つの負けや自分自身の問題で、それらは大きく変化することがある。勝負の世界とはそういうものであるのだが、奇しくも二人は一度ボクシングのトップ戦線から外れた男たちである。
 おそらく本当に実現するならばカーンが勝利するだろう。だが、ブローナー本来の実力が発揮されるのならばその限りではない。どちらにも可能性がある戦いとなることは間違いないだろう。そうなのだ。本当はそのはずだったのだ。
 たった一つ、道を間違えなければ……。

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