【浦和レッズ】恐ろしい乱打戦を制す。関根貴大は浦和の男になれるのか?
なんて試合だよ。殴り合いも良いところっていうか、前から来てくれるサンフレッチェだったから良かったものの。これが柏や鳥栖だったら負けていたかもしれない。でもまあ、リーグ戦というのは巡り合わせだ。こういう試合をきっかけに上げていく事もあるってこと。
絶対に下を向いたらいけない状況で、月曜日に大原練習場へ行ってきた。レギュラー組は鳥栖戦での敗戦を取り返そうと、雰囲気こそ明るかったがリカバリーに励んでいた。ただ、控え選手たちの元気のなさは気になっていた。振り向けばズィライオは柏木にいたずらをしていたけれど。する前にこっち向いてウィンクするんだもんな。
オナイウ先輩は一人で走り込んでいました。ってくらいでいくらリカバリーとはいえ、もうちょっと控え組からレギュラーを奪うという気概があってもおかしくなかった。あと、駒井がめっちゃ運転うまかった。帰りにさいたま新都心駅の方に走って行ったよ。
とまあ、前日練習から気合が入っていたというチュンソンと関根。前日練習で乱闘騒ぎを起こすほど、この試合には入れ込んでいた。そして試合を決める得点を奪ったのは、乱闘騒ぎを起こした関根貴大だった。良かったな関根。今度チュンソンにご飯連れて行ってもらってな。
レッズ一筋の男だ。下部組織から昇格してきた選手としては数少ない、文字通りの生え抜き選手だ。「捲りの帝王」宇賀神と並んで、レッズには欠かせないアウトサイドの選手である。そんな彼が試合終了間際に見せたあのプレーは、レッズというクラブの意地とレッテルに対するアンサーだったと思う。
しばしばいわれる「浦和レッズは勝負弱い」という言葉。確かにそうなのだ。優勝が懸かった試合や首位争いになると、どういう訳か勝てなくなる。稀勢の里が大関の時によくやっていた相撲を見ているようなのだ。なんか鈴木啓太の引退試合に来るとか言っているセンターバックから「男がいない」と言われたが、恐らくは苦しい時に踏ん張れる選手の事を言いたいのだろう。
そういう選手は確実に日本からはいなくなる。原口もそうであったし、キャプテン長谷部もそうだった。萌たんもそうだった。浦和レッズに限った話ではない。中田英寿以降、海外に挑戦する選手が増えたというのはもう日本サッカーの傾向と言える。
そんな中で、関根は男になれるかどうか。あのゴールは自分でチームを引っ張っていくという意思表示である、と私は思いたいのだ。
しかしまあ、サポーターの皆さんも選手たちにもしんどい試合だったと思う。心からお疲れ様と言いたいところだ。そりゃあまあ、守備の事を凄く突っ込みたいのはある。けれど、それ以上に劇的な勝利だった。点を取られてそれ以上に取り返そうとしても取られちまうって磐田戦で痛い目に遭ったけれど、相手が相手とはいえこれくらいの反発心があるという事は大きい。
なかなか勝つことができなかった6月のうっ憤を晴らすかのような関根の勝ち越しゴールに、だからこそ旅立つまでは浦和の男としてチームを引っ張る立場になってほしいのだ。優勝争いには、やっぱり関根が欠かせない。チームを知る男だからこそ、数少ない生え抜きレギュラーだからこそ。
レッズの象徴と呼ぶにはまだ早いかもしれないけれど、意地と気迫を見せてくれた関根は今まさしくその人間と呼ぶことができるように成長を遂げようとしている。田中達也、永井雄一郎。レッズにはかつて衝撃的なドリブラーが多くいた。関根も、手を挙げたっていいではないか。
フリーランの上手い宇賀神と、ドリブルキングの駒井。関根はタフなドリブラーとして。今こそ浦和の男になるのだ。
とはいえ、苦しい状況に変わりは無いだろう。次の試合は川崎戦だ。鬼木監督の元でサッカーは進化を続けていると聞く。まったくもって、油断ならない相手である。だからこそ、次の試合も変わらないハードワークが要求されるし、守備陣の修正は急務だ。トレーニングスケジュールも既に埋まっていてオフもない。
関根がそこで先陣を切って走ることができれば。川崎のパスサッカーを狂わせることができるような気がするのだ。前がかりになったところで、関根がドリブルで切り裂くことができれば。いつだってレッズのサポーターは熱い男が大好きだ。だからこそ、その姿勢に次のレッズを早く託したいのだ。
もっともっと怖い選手になる為に。関根は今まさしく成長を遂げようとしているのだろう。偉大なる先輩方に追いつくために。
あ、それとチュンソンは今日美味い飯屋に連れてあげましょう。ゴチになります!
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