殴るぞ

色々と思いっきり話します。

私のど真ん中には、いつだって清原和博がいる。

 昔の野球選手で苅田久徳という人物がいる。日本プロ野球初の退場処分となった人物であり、戦前・戦後のプロ野球を支えたスター選手であった。そのプレーは「苅田の前に苅田無く、苅田の後に苅田無し」と評されたほどだった。野球好きの人は多いことだろう。

 松井秀喜イチロー松坂大輔。今で言うと大谷翔平藤浪晋太郎坂本勇人山田哲人。野球を愛する人たちにとって心のど真ん中に居る選手がきっといるのではないだろうか。

 私にとって、その選手は清原和博ただ一人だけだ。確かに、野球を見ているうえで今でも好きな選手が居るには居る。だが、どんな選手にも変えられない魅力が清原にはあった。

 だからこそなのだろうか。Facebook上で今週のNumberを見て、買おうと思った。居ても立ってもいられなくなって、近所のコンビニで清原の特集が乗っているNumber930号を購入した。彼は、ひどくやつれていたように思えた。

 覚せい剤を使用したという事実はれっきとした犯罪だ。そこに至るまで、仕事が無くなったり、いらないプライドが彼を邪魔していたのかもしれない。通算2500本以上の安打を放ち、500本以上の本塁打を打ってきた男だ。プライドという無駄なものが彼自身を蝕み、孤独感へと導いていったのかもしれない。

 その中で亜希夫人らのご家族が愛想を尽かせても致し方なかったのかもしれない。彼女たちに被害が及ぶようなことは当然あってはならないし、その中で人生というものがあるのだから。

 だが、そんなプライドを全て削り取っていった時。残っていたものは「PL GAKUEN」と書かれたユニフォームを着た16歳の天才少年だったのではないだろうか。そして、野球以外のことはからっきしだった。そして気がついてしまった。愚直に野球を極めていた少年は、野球以外で上り詰めていたものが何もなかった。現役引退をしたとき、どうしていいのか分からなくなっていたのかもしれない。

 自分のしでかしたことの大きさを痛感し、ようやく一歩踏み出すことができる。そして清原は今年、50歳になる。搾り出すように、何度も「うーん」と言葉を選ぶように。インタビューに答えていた彼は。ようやく人間・清原和博としての成長へと踏み出したのだろうと私は信じたい。

 人は誰でも間違いを犯す生き物である。私だって普通の人生を送っている人たちと比較しても、明らかに失敗の人生を送っている。会社をクビになったこともあった。仕事へのやる気がなくてサボっていた時期もあった。だが、私にとって幸せだったのは、かけがえのない仲間がいたことだったのではないかと思う。

 清原にも「仲間」はいた。私はそのことがとても嬉しかった。Numberで佐々木主浩立浪和義ダルビッシュ有が。清原の力になりたいと言ってくれたこと。過去の振る舞いはもう変えることができない。私だってそうである。それで何人友達がいなくなったことか。それでも清原を見捨てなかった。私も見捨てられなかった。彼と私を一緒に見るのはおかしな話なのだが。

 それだけ清原が多くの人に愛されていたという何よりの証拠であるし、私にもきっと私を真剣に心配してくれる仲間がいてくれるという証なのかもしれない。私のど真ん中には、いつだって清原和博がいる。自分と照らし合わせて、これほどまでに共感できる男。

 やっぱり清原なのだ。イチローでもマーくんでもない。本当に彼は、格好いいと心の中で思っている。例え過ちを犯した人間だとしても、私はその敬意を変えることはないだろう。

 私たちは頭がいい。覚せい剤を使用することがどれだけ恐ろしいかということを、理解している。対戦相手やボールパーソンに対して暴言を吐いたり、暴力行為をしてはいけないことだって、分かっている。そのことについて、擁護することは当然ありえないし、するつもりも私はない。

 過ちの後の行動はいつだって勇気がいるものだ。ゼロどころかマイナスのスタートになることだってある。清原の道は明らかにマイナスからスタートしている。このまま野球関連の仕事もないまま、ひっそりと消えて行ってしまうかもしれないし、同じことを何度も繰り返してしまうかもしれない。

 人の過ちを笑ったり、非難したりするのは簡単だ。石や生卵を投げつけたり、罵声を浴びせたり。Twitterで誹謗中傷するのに苦労なんていらないし、ヤフーニュースのコメントで今すぐにできてしまう。きっと高潔な方々なのだろうと思う。過ちを犯したことさえないような。

 MOSHIMOの「途切れないように」を思い出した。上京してきた際にボーカルの岩淵紗貴さんが作った曲だそうだが、辛くてもくじけそうになっても前を向いて頑張ろうとする彼女の意思が見て取れた。清原も今、前を向こうともがき苦しんでいる。そんな彼は今、等身大の自分と向き合っているように思える。私はそんな彼が、昔より好きだ。

 また、帰ってきて欲しい。これからも私のど真ん中に清原和博がいてほしい。先は長いだろうが、命が尽きるまで私は彼が帰ってくることを心から願っている。

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