【浦和レッズ】ズラタンと佐々木希と李承燁
KLM揃い踏み。新潟から浦和というジャングルに放り込まれたラファ・シルバは、しばらくの間休戦。その間に、昨年躍動していた興梠慎三・武藤雄樹・李忠成のKLMが躍動した仙台戦だった。蓋を開けてみれば7-0。ドイツで気張ってたあの細貝番長は帰ってこなかったけれど、既存のメンバーたちの意地を発揮した試合でもあった。届け、ベーハセキャプテンに。って、違う。
何よりもラファに刺激にもなった圧巻のゴールラッシュでの勝利。ミシャのやりたいことがすべてできたかどうかというのは分からないけれど、今シーズン初のクリーンシートを達成したのはでかい。ここ何試合も守護神・西川が点を取られていただけに、自信を取り戻すことができる試合だったのではないだろうか。
元々不用意に飛び出したり、勘で飛んじゃったりすることだってあったんだから、とりあえずは見守ろうよ。トリコロールよりやってきた榎本パイセンだって後ろには控えているんだから。森脇の衰え? あ、そこはノータッチで行こう。
さて、攻撃陣が躍動している陰には、やっぱりミシャにもう一つのオプションが隠されているからに他ならないと思う。FWのもう一人の切り札だ。オナイウ? 違う違う。スロベニアの爆撃機、ズラタンよ。ここまで未だノーゴールだけれど、彼の存在は地味にでかい。
今年で34歳になるズィライオだが、今年は特に出場機会に恵まれていない。KLM絶好調というのもあるし、何よりもラファの存在が何よりもでかいためだ。しかし、彼らには絶対的にないものがある。それは身長だ。186センチというフレームは、Jリーグにおいて特に大きな武器となる。
思い出してほしい。闘莉王が名古屋に移籍した2010年、攻撃の核となっていたのはジョシュア・ケネディだった。194センチあるその長身を活かした名古屋のサッカーで、中心選手として機能していたのはケネディが健在であったからに他ならない。そう。「でかさは強さ」なのだ。
もっと言えば、佐々木希のようなものである。佐々木希は美人だ。これは紛れもない事実である。つまり、分かりやすい長所があるということ。誰が何と言おうとみんなこう思うだろう。「佐々木希は美人である」と。畜生め、アンジャッシュの渡部に持って行かれるとは思いもしなかった。
話が逸れた。ズィライオの特徴も分かりやすい。もちろん、空中戦でゴリゴリとやりあう選手では無いことは承知の上だ。だが、浦和にとってこれだけ分かりやすく、いざとなったら切り替えられるオプションが明確な選手もいないのだ。つまり、ズィライオは佐々木希なのである(「セペダはまゆゆである」みたいだが、思いっきり影響を受けていることを明言しておきたい)。
確かに今シーズンは出場機会も少ないし、得点も取っていない。このままではオフの整理対象となってしまう。ちょっと気は早いけどね。だけれど、でかくて強いズィライオの存在はやっぱり重要だ。オナイウだって下手すればCBにコンバートされちまうかもしれないし(そんなことはないと思いたいが)、そうなると盛田ラーメン路線を踏襲しなければならなくなる。
ズィライオの実力からすれば、他クラブでレギュラーを張っていてもおかしくない。それだけの選手だ。そんな選手が控えで鎮座しているのは、対戦相手からしてみれば不気味以外の何物でもない。得点能力が抜群にあるわけでもないが、居るということが大事。下手に引いて守られても「いつズラタンが出てくるのか?」というのはプレッシャーを与えることにもつながるからだ。
思うと、野球でそんな選手がいた。賛同してくれるかは分からないが。読売ジャイアンツにいたとき、居るという強烈な存在感で相手にプレッシャーをかけていた男、李承燁である。弱点こそ多くあったが、それを上回るほどの強烈なパワーを併せ持った長距離砲である。今シーズンで引退するそうだが、たとえ穴は大きくても下手をすれば一撃をもらうという恐怖心は対戦相手からすれば相当あったはずである。
ズィライオは李承燁だ。たとえベンチに居るだけであったとしても、その強烈な存在感は消えてなくなることはない。本稿で、色々と例えられてしまっているズラタン。私はズィライオがそれだけ大好きだということを分かっていただければと思う。
冗談はさておき、それが攻撃におけるミシャの柔軟性を生んでいると言ってもいいだろう。それを使いこなせているかどうかは別として。存在しているだけで相手に恐怖を与える男、ズラタン・リュビヤンキッチ。いいじゃん、幸運の置物でも。それだけ活躍した時のインパクトは大きくなる。
試合に出てないからと言って、相手もチームメートも油断してはいけない。振り向けばズィライオ。いつだってその大きな体を活かしてチームを救う男になるのだから。
一つだけ気になるとしたら。ズィライオをCBにコンバートするということくらいだろう。ミシャさん、まさかそんなとんでも計画はないですよね?
Facebookページはこちらから。
Twitterはこちらから。
人気ブログランキングへ