殴るぞ

色々と思いっきり話します。

誰がどこにいるのか

 69-66というスコアから見えるように、実はかなり接近した試合だったプレーオフ決勝第2戦。実は、日本のプロバスケットボールを見るのは初めてで、高校バスケットボールを見に行ったきりとなるため、生観戦は2回目となる。

 2戦目ということで、やや身体が重たかった両者。だが互いの狙いが見えて面白かった試合だった。

■インサイドに外人選手を置いたトヨタ

 フィジカルの強い選手をインサイドに、小柄で技術のある選手をアウトサイドに置くというオーソドックスな形を取ったトヨタ。選手層に優れているのだろう、適度に休ませることでフィジカルの消耗を防いでいる狙いもあったよう。フィジカルで押し込みつつ、アウトサイドで3ポイントを打たせるという形が見えてはいたのだが、却って不発になってしまっていたのは興味深い。あらかじめ、アイシンもその狙いが分かっていたということだろう。

 ゆえに、アクセントをつけていたのが二ノ宮と、ジェフリー・ギブズ。小柄な二宮は、両手でドライブができる選手でオフェンスでは相手をかく乱していたのは印象的。特に前半でのMOMは彼を推したいくらいであった。一方で、ジェフリーは攻撃の起点となる形が多かったように思える。上背こそないものの、フィジカルとボールハンドリングに優れている印象。インサイドに鎮座するだけでなく、自ら外中と入っていくのが見えたのも面白かった。しかし、ジェフリーは徐々にスタミナがなくなり、二ノ宮は5ファウルで退場。これが却ってアイシンの追撃を受けてしまう要因となったことは否めない。特に二ノ宮の退場は痛く、インとアウトで機敏に動いていた彼の動きがなくなったことでトヨタの攻撃力はぐんと落ちたのだ。

 パスコースを塞がれたり、一気に攻めるところでブロックを作られるなど、苦しい場面もあった。今日勝てたからといって油断はならない。

■敢えてペイントエリアを「開けた」アイシン

 意図的にペイントエリアを開けたアイシンは面白かった。桜木ジェイアールを始めとして他の外人選手たちも決してフィジカルの弱い選手ではないし、コンタクトプレイを避けるためではない組織で戦うという意識も見られた。意図的に開けたそこのスペースに誰かが飛び込む。あるいはドライブで押し込みつつ入れていく。どちらもできる戦略と、ディフェンスでは相手にペイントエリアへ入らせないためのパスコースの遮断を試みようともしていたようだ。

 しかし、誰かがスペースへと飛び込む戦略は運動量とそれに応えられるボールハンドリングが重要となる。特に桜木のコンディションは最悪だった。まあ、39になる選手に頼り気味な部分が問題ではあるのだが。ただ、はまった時にはめっぽう強い。明日は早い段階でペースを握ることができるかもカギとなるだろう。それと、ちょっとしたミスも散見されたのはいただけない。もっと意図的にインサイドでのドライブを意識してもいいのではと思う。キーとなるのは高橋マイケルだろうか。アウトサイドでパスを回しているようでは全く怖くない。力強いインサイドでのプレーが得意な彼ならではの実力を発揮してもらいたいところだ。

■まとめ

 ということで、プロバスケ初観戦。興行面ではいろいろ言いたいことがあるがそれは別項で。試合自体はミスこそ多かったが、なかなか面白かったと思う。ただ、両者ともどうしてそんなにきれいなプレーにこだわるのだと、突っ込みたくなるシーン多々あり。夜にちょっとだけ見たbjリーグはもっとダイナミックだった。まあ、テレビと現地の問題だとは思うのだが。

 トヨタのキープレーヤーは二ノ宮、アイシンのキープレーヤーは高橋。土曜日は見に行ければ。