尾川堅一が世界チャンピオンになったのに、メディアはもっと頑張った事を称賛しないで本当に良いんですか。
世の中とは世知辛いもので、どんなに頑張っても「頑張ったで賞」なんてもらえない。
どれだけ勉強していても、点数が良くなければ良い学校には入れないし、どれだけ仕事を頑張ったとしても結果が出なければ業績は出ない。
ちなみに私がどれだけ頑張って仕事をしたとしても、このブログで記事を書いたとしても。
誰かに読んでもらわなければ結局は意味のないただの紙切れと一緒なのである。
そんな時にどうしたら良いかと言われれば、当たり前だが環境を変えてみるか努力の仕方を変えなければならない。
結果が出るやり方をしなければならないし、あなたがどのような状況に置かれていてもそれは関係ないのである。
と、最近思うようになったのはやっぱり私も結果が出ない事にイラついているからかもしれない。
結果が出ないと面白くない。だからこそ、私も苦しんでいるのかもしれない。
それを考えると、尾川堅一が海外で結果を残してきたことはもっと褒め称えられても良いと思うのだ。
だが、扱いは余りにも小さかった。これでいいのだろうか。
◆ざっと説明しておくと、36年ぶりにアメリカでタイトルを獲得した男である。
木村翔が世界タイトルマッチでゾウ・シミンを破ってタイトルを獲得してから、海外で世界タイトルを取る事が出来るという希望は多くのボクシング選手たちが持つ事が出来るようになったのではないだろうか。
決して比較をするわけではないが、尾川のタイトルはスーパーフェザー級。海外の選手にとってはフェザーやスーパーフェザーを獲得する事で、キャリアに弾みをつける為に取りに来る選手も多い程だ。
対戦相手のテヴィン・ファーマーはKO率の低いテクニシャンだったが、尾川も懸命にかつ激しいファイトを繰り広げて接戦を制した。
同じ時間帯にロマチェンコvsリゴンドウの対戦があったり、大谷翔平がロサンゼルスでの入団会見があったりと、注目度は高いといえない事は事実だったが。
少なくとも、日本のメディアだけは注目してしかるべき試合だったと私は思う。負ける、と言う事が分かっていたとしてもだ。それで結果が覆ったのだから、なおさらである。
◆なんにしても「尾川は勝った」という結果を手にした。面白くなる。
アスリートとはとことん厳しい職業である。
どれだけ最善を尽くしたとしても負ける時には負けるし、100パーセントの力を出す事が出来るとは限らない。
それが何よりも形として現れてしまう。もちろんそれは一般社会でも同じことではあるのだけれど。
だが、目に見える結果を出して称賛できない事はおかしいし、村田諒太が称賛されるならば彼もまた結果を出した人物として称賛されるべきだろう。
ボクサーは目立ってなんぼ。この考えは未来永劫変わる事は無いが、それは結果を残した事で尚更際立つという物である。
内山高志は世界タイトルを獲得した時には、知る人ぞ知る世界王者という印象だった。八重樫も井岡と戦わなければ恐らくはそうだっただろう。
それは尾川にも同じことが言えるのだ。
日本拳法歴20年で未だにボクシングの動きに慣れないという好戦的なファイターは、キャラとしても立っているし面白い。
異色の経歴もキャラクターも。実績を残した事でその輝きを増していくのだから。ここから尾川は面白くなるだろう。
◆どうか注目してあげて欲しい
確かに多くの人がボクシングに関心を持っていないというのは分かるし、その現状は知っている。
だが、頑張って結果を出した人間が報われない世の中というのは何とも切ない。
注目してあげる事こそが「頑張ったで賞」になるのではないだろうか。
少なくとも価値ある結果を出した選手には、それ相応の見返りがあるべきだろう。
今年は多くの日本人選手が世界王者となり、再び活気が出てきたような印象さえある。
だからこそ、結果を出した人間はもっともっと注目されるべきだし、私がボクシングの面白さを広げていきたいという想いで文を書いているのもそれが理由だ。
当然、結果が出なければそれまでの事であるし、ひどい人間になると「負けて当たり前」とか「何しに行ったのか」と罵られる結末となるわけだが。
今後尾川は多くのホープと呼ばれる選手たちと対決するかもしれないし、アメリカでビッグマッチを行うかもしれない。
防衛戦を行うとなれば、村田と同じくらい注目を浴びるかもしれない存在なのだ。
ある意味でボクシングを知らない尾川がこれから注目されると言う事を考えても、今後大いに期待して良いボクサーではないだろうか。
やっぱり結果が出なければ面白くない。それは仕事もスポーツも同じだろう。やっぱりそう考えると結果の伴わない「頑張ったで賞」はやっぱり不要なのである。
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