殴るぞ

色々と思いっきり話します。

村田諒太とエンダムが再戦すべき3つの理由

 村田諒太がハッサン・エンダム・ヌジカムに敗戦してから、早くも2か月以上経過しようとしている。

「不可解な」判定負けから村田は現役続行の意思を表明し、WBAから異例のスピードで再戦指令が出たほどだった。

 通常ボクシングのこのような判定結果に終わった後の再戦指令がこれだけのスピードで発せられることは無い。

 それだけ、村田諒太帝拳ボクシングジムに対して最大級の「歩み寄り」をしたと言ってもいいだろう。

 しかし、本田明彦会長はその入札指令を拒否した。エンダムとは再戦をしたくなく、交渉もしていないのにWBAから横やりを入れられて腹が立ったのだろう。

 WBAにはコリゴリだとか、その様な声を聴かない訳でもない。高額なファイトマネーが原因とも、すでにWBO王者であるビリー・ジョー・ソンダースに狙いを定めているとも言われている。

 一方で、こう思うのだ。エンダムとのリマッチを受け入れるべきではないのか、と。

 現にソンダースとの対戦交渉は一度破談に終わっているし、WBAが望むリマッチを戦いきっちりと片づけた方が、よりきれいに見えると思うからだ。

 村田自身が交渉は本田会長に任せてあるという事なので、彼自身から特別な要望は無いだろう。

 後は本田会長次第。今であればエンダムとやるメリットの方が明らかに大きいのだ。

◆ギャラの配分は75%-25%でも、勝率は村田が75%以上はある

 まず、村田はエンダムならば確実に勝てる。嫌らしい言い方だが、エンダムには挑戦者からの対戦オファーが多く舞い込んでいるだろう。

 何故なら、挑戦者からすると「勝利できる」ボクサーだからだ。村田との試合はそれを証明する一戦になってしまった。

 WBAのスーパー王者とWBC王者、IBF王者であるゴロフキンと対戦したり、カネロと対決して勝利をする事は決して容易ではない。

 素晴らしく強い。ゴロフキンは王者とはこうでなければいけないという姿を見せつけている。

 彼らと比較してしまうと、エンダムの実力は申し訳ない事に、彼らより数段劣る。

 恐らくはIBF世界スーパーウェルター級王者であったジャーモール・チャーロや、ゴロフキンと対決したレミューなどは王座返り咲きを狙ってエンダムへと挑戦する可能性は高い。

 今ならば「安全パイ」とも言える世界王者からベルトを奪う事など容易。

 王座乱発だと批判されても、「世界王者」というブランド価値はとても高い。

 今の村田はとても世界王者に近い。そう言い切っても良いだろう。

 ファイトマネーの配分では不利であっても、それ以上に得られるメリットの方が圧倒的に大きい。

 勝率は圧倒的に村田の方が高い。証明したのは他ならぬ村田自身である。

◆冷静に考えてゴロフキンが戦ってくれる可能性はあるのか?

 次に、冷静に考えてみてほしい。ゴロフキンやカネロがわざわざ日本まで来るだろうか。

 答えはノーだ。

 当たり前だ。わざわざマーケットの狭く、かつ遠い時間をかけて日本で試合を行うよりも、自分たちの本拠地から近い場所で試合がしたいというのは当たり前の話。

 ましてや、カネロはともかくゴロフキンもソーンダースもそれぞれの団体における世界王者なのだから。

 もちろん、アメリカで試合をするというのならば話は別だが。

 一方で、エンダムとはむしろ「対戦しろ」という指令が出ている。

 今ほど、村田が世界王者となるチャンスは無いと思う。

 そう考えると、日本で試合をする事を受け入れ、ベルトを賭けて戦ってくれる世界王者はエンダムただ一人となってしまう。

 これほど「大きな魚」はいないのだ。

◆もし村田が飼い殺し状態になるのであれば、本田会長の責任は重大だ

 本田会長は、西岡利晃をノニト・ドナイレと対決させる事には成功し、三浦隆司を魅力的なファイターとして世界に売り出した。

 ホルヘ・リナレスは現在3階級制覇を達成しているし、山中慎介も国内では魅力的なファイターとして人気だ。

 少なくとも、ボクシング選手たちを世界的な強豪に仕立て上げた事について私もその手腕について文句を言うつもりはない。

 葛西裕一トレーナーや田中繊大トレーナー、大和心トレーナーと日本でも屈指のボクサーのトレーナーを揃えて選手たちのやりやすい環境を整えている。

 そして、村田やリナレスのトレーナーとしてイスマエル・サラス氏もいる。

 恐らく、これだけの設備と人材がいるボクシングジムは世界中を見渡しても数えるくらいだろう。

 だが、それ以上に村田には時間がないことを理解しているのだろうか。

 恐らくだが、ゴロフキンあるいはカネロが勝利したとしても、試合が組めるとしたら来年になるだろう。ソーンダースも同じことが言える。

 31歳の村田にはあとどれだけチャンスがあると思っているのか分からない。エンダムとの入札期限は7月20日まで延期された。

 勝てる可能性から選択する事は決して悪手ではない。

 もし、これで村田が世界王者になる事なく、キャリアを終える事となれば。それは立派な本田会長の失態である。

 彼が決して下手を打たないビジネスマンであることを信じながら、しばらく静観していたいと思う。

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