殴るぞ

色々と思いっきり話します。

ボクシングを楽しく妄想しよう。ライトフライ級に隠れた日本ボクシング界の未来とは。

 拳四朗の世界王者挑戦が正式に決定し、早くも5月20日村田諒太の前座として世界王者に挑む事となっている。いよいよ親子鷹での世界王座獲得を目指す事となるのだが、ここで面白い事が起きている。

 現在のWBA王者は田口良一。井上尚弥相手に好戦した選手である。唯一倒せなかった相手とも言えるだろうが、現在世界王者の中でも更に成長し続けている稀有な選手と言える。続けてIBF王者の八重樫東。ポンサワン、井岡一翔ローマン・ゴンサレスといった選手を相手にタフなファイトを繰り広げてきた日本ボクシング界でも屈指の人気を誇るボクシング選手である。そして、WBO王者の田中恒成は日本ボクシング史上最短での世界王座獲得、最短タイ記録となる2階級制覇達成と話題を集める若手のホープだ。

 もし、拳四朗WBC王者となれば史上初となる4団体同階級で日本人世界王者が誕生することと相成る。しばしば騒がれる「世界王者の価値が下がっている」という批判がまたどこかから聞こえてきそうな気配である。

 しかしだ。私は「案外これって日本ボクシング界にチャンスが到来しているのでは?」と思ってならないのだ。同じ階級に4人も世界のトップを極めた男がいる。なんだか矛盾しているように聞こえてならないが、その矛盾を解く一つにして究極の方法があるではないか。

 そう。統一戦である。

 八重樫は井岡との激闘を制して名を挙げたという経緯があるし、田口は一戦一戦を経験する毎に実力をつけてきた。そこに若手のホープとなる拳四朗や田中ががっつりと挑む。ボクシング界はつまらない足の引っ張り合いと、「何を」言ったかより「誰が」言ったかが重要視されるダブルスタンダードが平然と横行する中で人気はどんどんと低下していっている。

 少なくとも我々ファンに出来る事など、何一つない。指をくわえて見つめるしかない状況なのだ。そんな中で、唯一許されるのは「空想」だ。気が重くなる空想は思って発言するだけ空虚なものにしかならないが、希望はいくら言っても全く問題ないし、純粋に興味があるならば大歓迎である。

 薬師寺保栄鬼塚勝也が対決するかもしれないという噂が流れたとき、多くのファンがその試合を想像したように。長谷川穂積西岡利晃はどちらが強いのかと妄想したように。ファンにはいつだってそういう妄想が許されるのだから。無論、実現しないだろうと思うのではなく「実現したら面白いよね」と思うこと。やはりワクワクすることは重要なのだ。

 どんどん妄想しよう。個人的には世界王者でトーナメント戦をするのはどうだろうかと思うのだ。最終的に勝利したものが4団体統一王者となる。そして何よりも「世界王者の価値が下がっている」という論調に対して答えが出るわけだ。

「一番価値があるのはそのトーナメントを制した者である」と。

 何が大切なのかというと、価値が下がったとこき下ろしても何も解決しないということ。4人もいる世界王者という立場を日本人選手が占拠しているという状況を上手く使おうよ、ということなのだ。ちょっと前になるが、内藤大助坂田健史WBCWBAの世界王者だったとき、なぜ統一戦をやらなかったのかとさえ思う。彼らに大串事件や亀田大毅との対戦という、遺恨は残っていたためだろうが。

 だったら、それを打ち破ってやればいいだけの話。価値低下を嘆き論じる事は構わない。だが、価値を下げられたのなら、選手によって価値を上昇させてもいいはずだ。ゴロフキンは、そうやって実力を証明してきたのだから。

 いいじゃないか。実にシンプルで楽しい興行になる。

 これならば多くのファンにアレルギーがある「亀田」というツールを使わなくても良いし、ボクシングという競技の面白さをシンプルに伝えられるとてもいい機会だと思う。そんなに亀田の幻想が気になるのならば、彼らを越えるアイディアを出してバンバンと出していくべきだ。

 とは思うのだが、そのボクシングを「ビジネス」として捉えられる人がどれだけいるかという問題にもなってくる。当然、亀田は自分という商品と世論とを上手くマッチングさせて興行を成功させたわけだが、果たしてそれを越えられるものを創り上げる事が出来るかどうかは、各ジムの関係者とプロモーターたちの手腕に関わってくる。

 今そこにある、状況や環境を「資源」として使うことが出来るかどうか。これは浦和レッズの企画広報部の人が言っていた言葉であるが、そのままボクシングにも当てはまる事ではないだろうか。

 今あるライトフライ級という環境を「価値低下」と捉えるか、「最高のチャンス」と捉えるか。後者で話を進めて行けば、ボクシング界はもっとワクワクが溢れた世界になると思う。そのためには、まだまだテレビの力は必要なのかもしれないが。

 さあ、大きなチャンスだ。伸るか反るかの大勝負。隠れたチャンスはそうそう待ってはくれないぞ。

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