【浦和レッズ】榎本哲也獲得と大谷幸輝移籍。実は浦和にとっても大谷にとっても幸せな理由。
今年のオフは荒れている。私が大好きな野球でもサッカーでも、今年のオフは荒れに荒れている。野球で言うならば、久々に読売ジャイアンツが躍動。日本ハムとのトレードで期待されていた未完の大器、大田泰示と伸び悩んでいた左腕の公文克彦を放出し、2012年のMVP左腕である吉川光夫に石川慎吾を獲得。楽天とのトレードでは同じく伸び悩んでいた小山雄輝と交換で若手の内野手の柿沢貴裕を獲得した。
FAでも森福允彦、山口俊、陽岱鋼を獲得。戦力強化に対して徹底して取り組んできたのが伺える。そして、その流れはサッカーにも波及しているようだった(もちろん、直接の影響はないだろうが)。
まず驚かされたのが、名古屋グランパスの選手たちの大量移籍だった。J2降格の余波というのもあるだろうが、多くの選手の出入りがあったことは事実。同じく横浜Fマリノスでも小林祐三から始まり、中村俊輔に兵藤慎剛が退団し、新潟からはレオ・シルバが退団して鹿島アントラーズに移籍。多くの選手たちの流れが出ていたことは事実だった。
さて、今回から浦和レッドダイヤモンズについてもっとクローズアップして行こうと思う。理由は、好きだからである。そして今回は、その中でトリコロールのチームからやってきたGKと、新潟へと旅立ったGKについて話したいと思う。
さて、まずは榎本哲也について。今シーズンの榎本は正GKである飯倉の負傷から出場機会が増加。23試合で23失点と安定した成績を残し、堅守のマリノスを支えたことは言うまでもない。33歳という年齢でありながら、高いセービング能力とコーチング能力は抜きんでて優れている。180センチと小柄ではあるが、未だに高い能力を持ったGKと言える。一方でフィードには難があるため、西川周作という日本代表の守護神を脅かすかと言われると疑問が残る。現状では移籍した大谷の後釜、すなわち第2GKという立場になるかとは思うが、実際これほど心強い補強はないだろう。
マリノスには素晴らしいGKが多くいたし、現在も優れたGKを輩出している。かつて日本を代表するGKだった川口能活を始めその前には松永成立、榎本達也に飯倉大樹。トリコロールの伝統を支えてきた堅守を象徴していると言ってもいいだろう。榎本は今回の契約更改で非情とも言える通告を受けたわけだが、彼の存在によって緊急事態にも対応できるだけの状況を作り上げたと言える。都築龍太に山岸範宏、加藤順大、西川周作と浦和もGKを育成することには定評がある(都築と西川は移籍組ではあるが)。そして榎本の存在が若手で控えにいるGKたちにも大きな影響を与えることとなるはずだ。
ましてや、浦和は過去何年も優勝をあと一歩のところで逃している。そのような失態を避けるためにもGKの補強というのは手っ取り早く失点を防ぐにはうってつけの方法と言えるだろう。むろん、巷で言われるCBの補強をしてほしいというのが本音としてはあるのだが。
そして、新潟へと旅立つ大谷幸輝について。185センチある身長と、優れた足元を持つGKでありながら、安定したセービングも持ち味。西川が日本代表に招集されている間もきっちりと仕事を果たしていたのが印象的だ。Jリーグカップを獲得することができたのも、ひとえに大谷のおかげであると言えよう。
しかし、年齢は来年28歳となる彼が第2GKで甘んじていて良いわけでは無いだろう。年齢的にも勝負をかけなければならない。そのために出場機会を求めるのは当然の流れだったのだろう。新潟からのオファーはまさに渡りに船だったのではないだろうか。
何よりも新潟移籍には大きな背景がある。昨年の新潟はリーグワースト6位の守備に原因があった。一昨年はなんとリーグワースト2位。攻守において迫力がなく、守備陣の立て直しは特に急務と言えた。そのような中で、守備陣の立て直しにGKを補強するというのは自然の流れだったのかもしれない。
大谷には極めて難解だがやりがいのあるミッションと言える。新潟という遠く離れた地ではあるが、成功してくれることを心から祈りたい。さて、そう考えて観るとどうだろうか。この移籍、浦和にも大谷にも幸せな移籍と言えるのではないだろうか。
浦和は優勝を狙っている。そのためには優れた控えが必要だ。その点で大谷にはJ1の経験に乏しいが、榎本という経験のある選手が移籍市場に出回る。浦和にとってはそれこそが最大の補強となり得ると判断し、獲得した。一方で、大谷は出場機会を求めた。28歳、やれると思うのならば、出場機会を求めるのは必然のこと。だからこそ、浦和を退団して新潟へと向かうことを決意したのだろう。
浦和にとっては経験のある選手を獲得でき、新潟は能力の高い選手を獲得することができた。大谷にとっては出場機会を増やすチャンスだ。浦和にも、大谷にも大きなプラスとなる移籍だったはずだ。
ということで、今年は定期的に浦和レッズについて書いていきたい。何とぞ、宜しくお願い致します。
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